時間駐車「59分以内はタダ」の噂は間違い? パーキングメーター制限時間内の利用による問題点とは

短時間の駐車に使われる「パーキングメーター」や「パーキングチケット」。SNSなどでは「超過時間前の59分までにクルマを移動すれば、駐車違反ではない」といわれています。実際に、59分以内なら違反行為にはならないのでしょうか。

「59分以内」なら違反にはならない? パーキングメーターの利用方法とは

 都心部で多く見られる「パーキングメーター」や「パーキングチケット」ですが、基本的に決められた手数料を先払いして利用します。

 しかし、SNSなどでは「パーキングメーターは、超過時間前の『59分まで』に移動させれば、駐車違反にならず、お金もかからない」という噂があります。

 このような行為は問題ないのでしょうか。

パーキングメーターでは時間表示の下には赤いランプで「超過」や「未納」が表示される
パーキングメーターでは時間表示の下には赤いランプで「超過」や「未納」が表示される

 都心部では、短時間駐車に対応するために駐車枠が指定された場所・方法に限って、短時間駐車を認める道路の区間を「時間制限駐車区間」と呼びます。

 基本的にパーキングメーター方式とパーキングチケット方式が存在。警察庁の2019年度資料によると、都道府県公安委員会が管理しているパーキングメーターは1万4525基、パーキングチケット発給設備は1126基となっています。

 それぞれの違いとして、メーター方式は設置された機械がセンサーで駐車車両を感知するものです。

 チケット方式は、設置された設備から日時や駐車を終了すべき時刻などが記載されたチケットをフロントガラスなどに貼り付けるものとなっています。

 どちらも手数料の先払いが必要になりますが、駐車違反となる条件が異なります。

 メーター方式では、駐車時間が60分・40分・20分と場所により異なりますが、制限時間を超えての駐車は違反になります。

 また、利用は60分・40分・20分を超えるような占有利用は出来ず、時間を超えての駐車が必要な場合は、ほかの一般駐車場を利用するように案内されています。

 一方で、チケット方式は発給されたチケットを車内の見えやすい位置に掲示していないと駐車違反です。

 また、チケットに記載された時間のみ利用可能となり延長は出来ず、制限時間を過ぎても駐車違反となります。

 こうしたメーター方式は、道路交通法にて定められており、第49条の3第2項では、「車両は、時間制限駐車区間においては、当該駐車につき第四十九条第一項のパーキングメーターが車両を感知した時又は同項のパーキングチケット発給設備によりパーキングチケットの発給を受けた時から、それぞれ道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車してはならない」と定められています。

 また、第3項では「車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分及び方法でなければ、駐車してはならない」と規定されています。

 このように、さまざまなルールが存在するメーター方式ですが、前述のように「超過時間前の『59分まで』に移動させれば、駐車違反にならず、お金もかからない」という噂が以前から耳にします。

 しかし、大阪府警察などの「パーキングメーターの利用方法」では、「駐車枠内に正しく駐車した後、直ちにパーキングメーターに手数料を納入して下さい」と明記されています。

 実際に過去には、パーキングメーターの料金支払いを免れる目的で、パーキングメーターに虚偽の情報を与えて駐車し、不正に作動させて管理会社の業務を妨害したとして、男性3名を偽計業務妨害の疑いで逮捕されたという事例も見られています。

 メーター方式の利用方法について、都内の警察署交通課担当者は以下のように話します。

「利用時間内で手数料を支払わずに駐車している人は一部見受けられますが、手数料を支払う必要があります。

 場合によっては違反として取り締まる場合もあるため十分に注意して下さい。

 基本的に駐車をおこなってからすぐにお金を入れるのが原則なので、そちらを守っていただきたいです」

 また、チケット方式について前出とは別の警察署交通課担当者は以下のように話します。

「パーキングチケットの利用は60分以内となっていますが、一度お金を入れて停め直しを繰り返している人もいるようです。

 駐車監視員などによる確認はおこなっていますが、あくまで機械的に枠にクルマが停まっているか、チケットの時間は過ぎていないかなどの確認に留まっています。

 そのため、個人がそれぞれルールを守って適切な駐車をお願いできればと思います」

※ ※ ※

 メーター方式・チケット方式は、あくまで短時間の駐車需要に対応した施策であり、多くの人が公平に利用するためのものです。

 このため、個々がしっかりとルールを守って正しく利用することが大切です。

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