劣化したエンジンオイルでエンジンが壊れる!? ハイブリッド車は早めにオイル交換すべき理由
ハイブリッド車のエンジンオイルの交換時期は?
もうひとつの疑問として、ハイブリッド車のエンジンオイル問題があります。駆動力の半分はモーターだとして、そうなると単純にエンジンの使用頻度もガソリン車より少ない可能性もあり、エンジンオイルの使用期間も伸びてもおかしくないと思うのですが、実際はどうなのでしょうか。
「そもそもハイブリッド車はエンジンオイルの交換が必要なのかと聞かれることがありますが、もちろん必要です。というのも、ハイブリッド車はオイルにとっては『シビアコンディション』扱いになるからなんです」(整備士 Tさん)
シビアコンディションというのは、クルマの走行距離の30%以上が悪路や登坂走行だったり、1回の走行が8kmに満たない走行を繰り返すような短距離走行が多い状態のことをいいます。
パワーのためにオイルに負荷をかけているターボ車などと同じく、ハイブリッド車もオイルにとっては厳しい条件だとされているのです。
「ハイパワーを出力している場合だけでなく、低速状態が続く状況やエンジンの始動時などもオイルには負荷が大きいです。
そしてハイブリッド車は、モーターとガソリンエンジンを交互、または同時に作動させて燃費を稼ぐシステムなので、通常のガソリンエンジンなどと比べてエンジンの始動・停止をひんぱんに繰り返しています。
これがシビアコンディションに該当するため、通常のガソリンエンジン車より早めの交換時期が推奨されるほどオイルに負担がかかっているのです」(整備士 Tさん)
たとえば、トヨタのガソリン車(ターボ車除く)は走行1万5000km、または1年に1回のオイル交換が推奨されていますが、シビアコンディションになると走行7500km、または6か月ごとと、より早くエンジンオイルが劣化すると考えられています。
「実際は、もっと早めに交換したほうがいいともいわれています。燃費が良くて経済性に優れているハイブリッド車ですが、複雑な構造ならではの定期的なメンテナンスが必要です」(整備士 Tさん)
ちなみに輸入車の場合はメーカーによってオイル交換の推奨時期が異なり、メルセデス・ベンツは国産車と同じく走行1万5000kmか1年ごと、BMWは走行1万kmか1年ごと、フォルクスワーゲンは走行3万kmか2年ごとになっています。
ただ輸入車のエンジンは国産車よりエンジンオイルの使用量も多く、その分出費も増えてしまうケースが多いことは覚えておきたいポイントです。
「交換タイミングを逃したからといってすぐに故障することはないと思いますが、街乗りで短距離ばかり走っているクルマは普通のガソリンエンジンでもシビアコンディションになりやすいといえます。
実際、何年も交換せずにピストンにスラッジが固着してしまい、修理に大金が必要になるお客さまもいました。
そうならないためにも、最低でも年に1回はオイル交換を心がけていただければクルマもコンディションを維持しやすいと思います」
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エンジンオイル交換はディーラーや整備工場はもちろん、近くのガソリンスタンドでもできます。
自分でもDIYでできる作業ではありますが、ジャッキアップや専用レンチといった設備が必要だったり廃油の処理なども考えると、プロにお任せするのが良いでしょう。
エンジンオイルを交換するとエンジンの吹き上がりが軽やかになり、調子を取り戻すのをすぐに実感できると思います。
クルマの状態を確認する意味でも1年に1回はオイル交換をして、結果的にメンテナンス費用を抑えるのが賢いカーライフだといえるのではないでしょうか。
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