まさに「正統派のカローラですね!」 万人に受けるSUV「カローラクロス」 乗ると納得のワケ
2021年9月14日に発売されたトヨタ新型「カローラクロス」は、良くも悪くも「カローラらしさ満載!?」。セダン、ワゴンとも違うカローラSUVこと「カローラクロス」とはどのような乗り味なのでしょうか。
新型カローラクロスはまさに「正統派のカローラですね!」
トヨタ新型「カローラクロス」に試乗したら、良い意味でも、そうでもない意味でも「正統派のカローラですね!」。
少しばかり大ゲサに表現するなら”衝撃”を受けた。乗っていてまったくストレス無し。価格だってリーズナブル。
以下、私の基準を当てはめて「良い」とか「悪い」と言う判断はしないので、皆さん自分のスケールで考えて頂ければ、と思う。

まず乗り込んで1秒で「そうきたか!」と驚いたのが内装材。
ダッシュパネルを見ると、かつて内装に革を使っていた時代の雰囲気出すため、糸で縫ったようになっている。
マツダ車などはソフトパッドと呼ばれる柔らかい素材を使い、本物の糸で縫った仕上げになってます。
お金掛けてます。節約を考えたら、糸も”シボ”と呼ばれる模様になる。
しかぁし、新型カローラクロスは硬い樹脂素材。そこに糸で縫った感じのシボが入ってる。
確かに普段触る場所じゃないからソフトパッドなど不要。
老眼だと近くで見なきゃ糸かどうかも解らない。徹底的なコスト意識です。
かと思えば、エアコンの吹き出し口の面積は圧倒的に大きい。暑い車内に入ってエアコン入れたときの冷却性能、素晴らしい。
実用性&コスト削減を基準に考えるなら、新型カローラクロスのアプローチは素晴らしいと思う。
実用性と関係無いインテリアにお金掛ける一方、エアコンの冷却性能悪いクルマと比べたら、新型カローラクロスの「選択基準」を素晴らしいと考える人は多いに違いない。
そんなコンセプトが新型カローラクロスを見るとすべての点で貫かれているのだった。
もうひとつ。機能面での代表例を紹介したいと思う。
新型カローラクロスのようなモデル、普通なら悪路性能を考え最低地上高を確保する。
トヨタ「RAV4」だと190mm。スバル「XV」は200mmといった具合です。
雪道や悪路でSUVらしい操舵性を持たせようとすれば最低で190mm必要だと思う。なのに新型カローラクロスは160mmしかない。
それでいてSUVの大切なファクターである「乗り降りの容易さ」や「アイポイントの高さ」については、しっかり対応している。
カローラ(セダン)だとシート高が低いため、乗り降りに「よいしょ」とか「どっこいしょ」みたいな声を出したくなる。
新型カローラクロスのシート高だったら、本格的なSUVと同じくらい乗り降りしやすいし、地上高160mmは普通の使い方なら十分かもしれません。
けれどシート高についちゃ乗り降りする度に課題となる。
カローラのDNAからすると、相応のコストを掛けて最低地上高を確保するのはムダ。
普段使いに大きく影響するシート高についちゃコスト掛かってもやるべきだ、ということになるんだと思う。いやいや興味深いです。
ちなみにクルマを文化として考える人なら「SUVなら最低地上高だろう」だし「インテリアに糸の模様を付けるならホンモノの糸を使うべき」になるんだと思う。
走り出すときだけ、わずか7.2馬力のモーターで後輪を駆動するだけの4WDシステムにも共通する。
ただ文化を追求していくと、普段使わない性能のため高いクルマになります。

































