ジツは見た目以上にハイメカだった? 技術的にも進んでいた意外な車3選

現行モデルのクルマは、先進安全技術の搭載や、ハイブリッドのパワーユニットなど、車体のほぼすべてがハイテク化されています。こうしたハイテク化は1980年代に一気に進みました。そこで、かつて販売された技術的に進んでいたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

見た目だけじゃわからないハイメカ搭載のクルマを振り返る

 1980年代に国産車ではターボ化やDOHCエンジンの復活によって、高性能化が加速しました。それを支えたのがエンジンコントロールの電子制御化です。

 また、同時期にはエンジン本体のマルチバルブ化や、CVTなど新たなトランスミッションの登場でメカニズム的にも飛躍的に進歩し、ABSやトラクションコントロールなども搭載されるようになり、車体の制御もハイテク化しました。

外観からは想像できないハイメカを搭載した意外なクルマたち
外観からは想像できないハイメカを搭載した意外なクルマたち

 現在は、先進安全技術の搭載や、ハイブリッドのパワーユニット、車体の姿勢制御など、クルマ全体のハイメカ化・ハイテク化は当たり前といえるでしょう。

 一方、かつて販売されていたクルマのなかには、見た目以上に先進的なモデルも存在。そこで、技術的に進んでいたクルマを、3車種ピックアップして紹介します。

●スバル「サンバー」

軽商用車ながら先進的なエンジンを搭載した「サンバー」シリーズ

 現在、スバルは商用車の生産から撤退しており、軽トラック/バンの「サンバー」シリーズはダイハツからのOEM車を販売しています。

 このサンバーシリーズは1961年に誕生し、一貫してリアエンジン・リアドライブのRRを採用してきた軽トラック/バンです。

 2012年に惜しまれつつ自社生産を終了しましたが、今も「農道のポルシェ」の愛称で高い人気を誇っています。

 スバル製サンバーの人気の理由は、最大の特徴であるRRによって重量物が車体後部に集中しており、空荷時でも駆動力が保持され、農道や悪路でも高いトラクションが得られることにあります。

 現在の軽商用車には横滑り防止装置やトラクションコントロールなど、ドライビングをアシストする機能が搭載されていますが、サンバーはそうした装置が無い頃から高い走破性を実現していました。

 さらに、1990年に発売された最終モデルの5代目では、軽商用車ながらも660cc直列4気筒SOHCエンジンと、さらに上位グレードではスーパーチャージャーが搭載されました。

 スーパーチャージャーは中低速域のトルクを重視する軽商用車には適した出力特性を得られますが、軽商用車はコスト的にはかなりシビアだったなか、4気筒エンジンとスーパーチャージャーを組み合わせたのは、スバルらしさあふれるものです。

 ほかにもサンバーはクラス唯一の4輪独立懸架を採用するなど、かなり贅沢なクルマだったといえるでしょう。

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●三菱4代目「ミラージュ」

今では考えられないエンジンを搭載した4代目「ミラージュ」

 1978年に誕生した3ドアハッチバックの三菱「ミラージュ」は同社初のFF車であり、次世代のベーシックカーとして開発され、発売後にはクラス初のターボエンジン搭載車を追加するなど、技術的にも意欲作でした。

 その後代を重ね、1991年に発売された三菱4代目「ミラージュ」は「ランサー」とコンポーネンツを共有し、3ドアハッチバックと4ドアセダンのボディバリエーションを展開。

 そして、1992年にはそれまでマツダが記録していた1.8リッターよりもさらに小さく、世界最小を塗り替えた1.6リッターV型6気筒のエンジン搭載車が登場しました。

 1.6リッターV型6気筒エンジン「6A10型」は最高出力140馬力を発揮し、4ドアセダンの「ROYAL」と「VIE LIMITED」に搭載され、本来はベーシックカーであるミラージュがラグジュアリーなモデルへと変貌を遂げました。

 さらに、4代目ミラージュでは、コンパクトカーながらリアサスペンションにマルチリンクを採用。コンパクトカーでもダブルウイッシュボーンを採用するケースは今もありますが、三菱はその上を目指していました。

 その後、1995年に登場した5代目ミラージュでは1.8リッターV型6気筒の「6A11型」エンジンにスイッチされ、1999年にはラインナップから消滅してしまいました。

 やはり、部品点数や製造コスト、重量増を考えるとミラージュクラスで6気筒はオーバークオリティであり、採用に至ったのはまさにバブル景気という背景だったからといえるでしょう。

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●ホンダ「シティ ハイパーシフト」

モデル末期に登場したハイメカMTを搭載する「シティ R ハイパーシフト」

 ホンダは1981年に、画期的なコンパクトカーである初代「シティ」を発売しました。高効率なエンジンを搭載し、常識はずれの高い全高による優れた居住性、トランクに収納できる原付バイク「モトコンポ」の同時発売など、とにかく話題が多かったクルマです。

 その後も、さらにハイルーフの「シティ ハイルーフ」や、ターボモデルの「シティ ターボ/ターボII」、オープンモデルの「シティ カブリオレ」が加わりバリエーションが拡大されました。

 そして、1985年には異色のモデルである「シティ R ハイパーシフト」が登場。

 ハイパーシフトとは「R」グレードに設定された新開発のトランスミッションのことで、副変速機を備える4速MTの俗称です。

 1速を除いた2速から4速に、低速(Low)と高速(High)のサブギアが用意され、実質7速MTということになります。

 副変速機自体は、前出のミラージュやスズキ「ジムニー」などクロスカントリー4WD車も採用され珍しいものではありませんが、このハイパーシフトはコンピューターが車速やアクセルワークを感知して、副変速機の低速と高速を自動で切り替えるという画期的なものでした。

 ハイパーシフトは低速ギアによるキビキビとした走りと、高速ギアの静かで経済的な走りを両立した先進のメカニズムにもかかわらず、通常の4速MTモデルとの価格差がわずか3万5000円と安価に設定されました。

 しかし、他のホンダ車にハイパーシフトが搭載されることはなく、初代シティが最初で最後になり、2代目の登場と同時に消滅。

 いまでは多段ステップATやCVT、7速MT、DCTなどが登場していますが、1980年代に自動制御の多段MTに挑戦していたのは、ホンダらしさあふれるのではないでしょうか。

※ ※ ※

 冒頭のサンバーは4気筒SOHCエンジンを搭載していましたが、ホンダ初の4輪自動車である軽トラックの「T360」は、さらに進んだ360cc4気筒DOHCエンジンを搭載していました。

 しかし、軽商用車に精密なエンジンは必要とされず一代で消滅してしまいましたが、こうしたハイメカはこれまでも出ては消えての連続だったといえるでしょう。

 まさに進化の過程で各メーカーがトライ&エラーを繰り返しており、振り返ってみるのも楽しいものです。

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コメント

1件のコメント

  1. 当時のスバル360の軽自動車はアクセルワイヤーが凍結して、フケアガったまま。サイドブレーキワイヤーは簡単に切れる。レガシーはプロぺシャフトが折れ、ファンベルトが外れる。
    散々な目に遭遇しました。