BMWの最上級SUV 「X7」に登場したディーゼル+48Vハイブリッドの実力とは
BMWのSAV(SUV)「Xシリーズ」のなかでフラッグシップモデルとなるのが「X7」です。2019年6月に日本上陸を果たしましたが、従来のディーゼルモデル「35d」に代わり登場した48Vマイルドハイブリッドモデルが「40d」です。どんなモデルなのでしょうか。
従来の「35d」に比べて75馬力・80Nmも向上
スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)とBMW流に分類されるXシリーズは、1999年にデビューした「X5」から始まりました。
世界的にもSUV人気が高まったこともあり、Xシリーズも続々とラインナップを増やし、いまでは「X1」、「X2」、「X3」、「X4」、「X5」、「X6」、「X7」と、7種類のボディが用意されています。ちなみに、数字が偶数なのはリアウインドウが傾斜したクーペタイプ(BMW流にいうとSAC)です。
Xシリーズのなかでも一番大きなボディで3列シートを持つX7は、2019年に登場しました。
X5にも3列シート仕様がありますが、その3列目はやはりX7のほうがレッグルーム、ヘッドクリアランスともにゆとりがあり、大人でも乗ることができます。
BMWのセダンのフラッグシップは「7シリーズ」ですが、X7はその大きさ、ラグジュアリーさという点でもXシリーズの頂点に君臨しています。その風格を表しているのは大きなキドニーグリルであり、他のXシリーズにはないエクステリアデザインの重厚感、骨太感があります。
今回試乗したのは、そんなX7に加わった新しいパワートレイン、ディーゼルエンジンのマイルドハイブリッドです。48Vで駆動するベルトドライブのスターター・ジェネレーターを持っています。
3リッター直列6気筒ディーゼルエンジンは、シーケンシャル・ツイン可変ジオメトリーターボチャージャーを備え、最高出力340馬力/4400rpm、最大トルク700Nm/1750-2250rpmを発揮します。これは現行モデルの「35d」に比べて、出力は75馬力、トルクは80Nmも高くなっています。
さらに48Vの電気モーターが加わりますが、定格出力6.9kW、最高出力8kW(11馬力)を発揮し、トルクは始動時53Nm/500rpm、エンジンアシスト時には35Nm/2500rpmを絞り出すことができます。
X7の車両重量は2.5トンを超えますが、低回転から発揮できるエンジンの太いトルクと、タイムラグなく力を発揮する電気モーターのアシストにより、アクセルペダルを踏み込んだときには予想より遥かに軽快に走ることができます。
反対にアクセルペダルを戻すとコースティング状態になり、惰性で走る距離が長くなるようにセッティングされています。車重が重いことは、この時にはメリットとして作用します。
ブレーキを踏むと48Vバッテリーに回生するわけで、ここがマイルドハイブリッドといわれる所以です。
今回試乗したX7 xDrive 40d Mスポーツパッケージは、オプションの6人乗りになっていました。これは2列目シートが左右で独立した2座席、いわゆるキャプテンシートになっているからです。1列目の運転席/助手席はもちろん、2列目も3列目も電動で動かすことができるところは、さすが高級車と思わせます。
テールゲートを開けるとそこにもスイッチがたくさん並んでいますが、このスイッチで3列目のシートを畳んだり、戻したりすることができます。3列目に乗り込むときには2列目シートのスイッチによって、ワンタッチ操作だけで自動的にシートが前にスライドし、バックレストは前に倒れていって、乗り込みしやすくなります。
3列目に乗り込むときやラゲッジルームの荷物の載せ下ろしの場合には、エアサスペンションのメリットを活かして車高調整(低くすること)も可能です。
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