夏の車内でエアコン使用でも熱中症に注意! 運転中の熱中症対策とは
運転時の熱中症対策は? 医師に聞いてみた
運転中の突然のめまいや、虚脱感、だるさ、集中力の低下、またはズキズキとした頭痛や吐き気がする場合は、軽度の熱中症になっている可能性があります。東京都内の開業医 H医師に、対処法を聞いてみました。
「頭痛やめまい、吐き気、だるさや体に力が入らないなどの症状が出た場合は、できるだけ速やかに安全な場所にクルマを停めることです。
できれば日陰などクルマ全体を直射日光から遮りたいのですが、難しい場合はエアコンを強めに作動させ、運転席から後部座席に移動し楽な体勢をとりましょう。
また首筋や脇の下、股関節の付け根やふくらはぎなどを凍ったペットボトルなどで冷やしてみてください。1時間程度で症状が改善しない場合は、救急などに連絡をしたほうがいいと思います」
ちなみに筆者(金田ケイスケ)も炎天下で熱中症になった経験がありますが、症状は突然やってきます。少しクラクラするなと思った瞬間、視界が瞬間的に真っ暗になり、強烈な虚脱感に襲われて体にまったく力が入らなくなりました。
これに似た症状が運転中に起きたら、事故を起こす確率は高いといえそうです。
「熱射病の症状が出ている場合、あまりに冷たい飲み物は内臓に負担をかけ血管を萎縮させてしまうため、冷えすぎていない飲み物で十分な水分補給をしてください。最近販売されるようになった『経口補水液』がお勧めです」(H医師)
では、そこまで症状は酷くないけど、熱中症に近い状態(具合が悪い場合)を回避する方法はあるのでしょうか。
「まだ意識もしっかりしている状態なら、まずはこまめに水分を補給してください。そのときも利尿効果があるカフェインを含む緑茶やコーヒー、紅茶ではなく、スポーツドリンクやミネラル入り麦茶などがいいと思います」(H医師)
またH医師が教えてくれた手軽な症状改善方法は「手のひら冷却法」というもの。手のひらには「同静脈吻合(ふんごう)」と呼ばれる動脈と静脈を結ぶ太い血管があり、ここを冷やすと深部体温を効率よく冷やすことができるそうです。
「高速道路のサービスエリアなどで休憩を取るとき、トイレや洗面所などで手のひらに5分程度水をかけ続けるか浸けるだけで十分効果があると思います。水を流しっぱなしにできない場合は、売店や自販機で売っている冷えたペットボトルを握り続けるだけでも効果が期待できます」(H医師)
また熱中症の原因のひとつは車内温度が関係しています。長時間の駐車で熱くなった車内の空気をエアコンだけで冷やそうとするのは効率が悪く、左右のドアを開けて、一方のドアをうちわの要領で何度か開閉するだけでも空気の流れが生まれ、車内にたまった熱気を入れ替えることができます。
「熱中症を避けるために、長時間走り続けるのではなく、適度に休憩を取りながら運転してほしいですね。事故はもちろん、体調不良になる前に無理せずに休憩を取るほうが安全に運転できると思います」(H医師)
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エアコンをかけていても長時間同じ姿勢で運転を続けていると体の一部に蓄積された熱が放出されず、熱中症になりやすくなります。
急いでいたとしても適度に休憩を取り、こまめな水分補給を心がけましょう。
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