夏の車内でエアコン使用でも熱中症に注意! 運転中の熱中症対策とは

暑い夏は、クルマを運転するときにエアコンの使用が欠かせませんが、それでも熱中症への注意が必要です。車内ではどのような状態で熱中症になりやすいのでしょうか。

エアコンが効いた車内でも直射日光で熱が体内に蓄積される?

 暑い夏にクルマを運転する際にはエアコンの使用が欠かせませんが、じつはエアコンを使用していても運転中に熱中症になってしまうケースもあるといいます。

 実際に、2021年7月には愛知県名古屋市の市営バス運転士がバスを運行中、意識がもうろうとなり電柱に衝突する事故が発生。運転士は「熱中症の疑い」と診断されました。

 常時エアコンを使用していたにも関わらず、長時間の運転で熱中症になってしまったようです。

 クルマを運転中に熱中症になってしまうのはなぜなのでしょうか。

夏は車内でエアコンを使用していても熱中症の危険がある
夏は車内でエアコンを使用していても熱中症の危険がある

 熱中症は体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり体温の調節機能がうまく機能しなくなり、めまい、けいれんや頭痛など、さまざまな症状を引き起こします。(公益社団法人全日本病院協会のHP「みんなの医療ガイド」より)。

 また症状によって大きくみっつの段階に分けられており、「I度」は現場での応急処置で対応できる軽症の段階で、立ちくらみや筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗などが症状として出ます。

「II度」は病院への搬送が必要な中等症となり、頭痛や気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの症状がある段階。「III度」は入院して集中治療が必要なほどの重症で、意識障害やけいれん、手足の運動障害などの症状だけでなく、体を触っただけでも熱い高体温などが該当し、いわゆる「熱射病」や重度の「日射病」とも呼ばれています。

 熱中症は炎天下に長時間いるだけでなく、突然の気温の上昇など体が暑さに慣れていないとかかりやすいとされています。

 また、湿度、気温、日射・輻射などの熱環境が大きく関係しているといわれています。

 その目安となるのが「暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)」と呼ばれる、1954年にアメリカで提案された指標です。

 人体と外気との熱のやり取り(熱収支)に与える影響の大きさから、湿度、気温、日射・輻射といった熱環境を用いて算出されるもので、一般的には暑さ指数が「28(厳重警戒)」を超えると、一気に熱中症患者が増加します。

 冒頭で紹介したバス運転士の場合も、エアコンを使用していましたが、新型コロナ対策で換気のため窓を開けており、さらに頻繁に開閉される出入口から熱風が侵入していたようです。

 またバス特有の大きなフロントガラスから注ぎ込まれる日射や、乗客からのクレームを考慮して運転中の水分補給をしなかったことなどが複合的に絡み合ったとされています。

 エアコンが効いていても、直射日光に当たり続けると体内に熱が溜まりやすく、エアコンの除湿機能によって発汗してもすぐに蒸発してしまい、水分が不足していることに気がつかない可能性があります。

 とくに長距離移動の場合、渋滞などがなくて順調に移動できるほど「もう少し先に進んでしまおう」という心理が働き、トイレに行かないように水分補給を我慢して脱水症状に拍車をかけてしまうケースがあるのだそうです。

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