非背高ノッポに隠れた人気? スズキが新型軽「ワゴンRスマイル」投入でキャンバス競合となるか?
スズキ初となる注目の装備とは?
ワゴンRスマイルのスライドドアは、開口幅が600mmで、スペーシアと同じ数値です。N-BOXの640mmに比べると狭いですが、ムーヴキャンバスの595mmと同等です。子供を抱えたり、両手に荷物を持っていても乗り降りしやすいです。
収納設備は豊富で、助手席の下には大容量のボックスが装着されています。インパネのカップホルダーには、500mlの紙パックが収まります。
エンジンは直列3気筒660ccの自然吸気です。街中を中心に使う性格の軽自動車なので、ターボは用意されません。その代わりマイルドハイブリッドを設定しました。
マイルドハイブリッドには、モーター機能付き発電機が搭載され、減速時の発電と充電、モーター駆動の支援、アイドリングストップ後の再始動をおこないます。
エンジンの再始動にはベルトを使うので、スターターモーターの金属音を発生させず静かです。アイドリングの停止と再始動を繰り返しても、煩わしく感じません。
WLTCモード燃費(2WD)は、ノーマルエンジンのGが23.9km/L、マイルドハイブリッドのSとXは25.1km/Lです。後者の数値は、ワゴンRにマイルドハイブリッドを搭載した25.2km/Lに近いです。
衝突被害軽減ブレーキを作動させる安全装備のデュアルカメラブレーキサポートは、全グレードに標準装着しました。サイド&カーテンエアバッグなども同様です。
スズキ初の「すれ違い支援機能」も注目の装備です。
デュアルカメラブレーキサポートのカメラセンサーにより、狭い場所でのすれ違いを検知すると、ボディの左側面と前側の映像をモニター画面に自動的に表示します。ドライバーの死角を補い、すれ違いを容易にします。
グレードは3種類で、ノーマルエンジンの「G」(129万6900円/2WD)、マイルドハイブリッドを搭載する「ハイブリッドS」(147万2900円/2WD)、「ハイブリッドX」(159万2800円/2WD)を選べます。Gにも基本的な安全装備などは標準装着されます。
主力グレードはハイブリッドSで、Gに比べると17万6000円高いですが、マイルドハイブリッドシステム、両側スライドドアの電動機能、運転席の上下調節機能、運転席シートヒーター、チルトステアリングなどが加わります。
ハイブリッドSは、実用的な機能を数多く装着しながら、価格は割安に抑えました。
そしてさらに装備を充実させたいなら、ハイブリッドXを検討しましょう。
ハイブリッドSに、LEDヘッドランプ/フォグランプ/ポジションランプ、360度プレミアムUV&IRカットガラス、右側後席用のパーソナルテーブルなど、15万円相当の装備を加えました。
ハイブリッドSとの価格差は11万9900円なので、装備を充実させたいユーザーにとっては、ハイブリッドXも買い得です。
装着を推奨する注目のオプションには、セーフティプラスパッケージ(4万6200円)があります。車間距離を自動制御できるアダプティブクルーズコントロール、標識認識機能、ヘッドアップディスプレイなどをセットにして、価格を割安に抑えました。
全方位モニター用カメラパッケージ(5万5000円)も安全性を向上させます。
またディーラーオプションを使ったブリティッシュスタイル、エレガントスタイルなど、オシャレな内外装の組み合わせも選べます。スペーシアカスタムのようなエアロパーツ装着車はありませんが、外装パーツの組み合わせを楽しめます。
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ワゴンRスマイルは、「スライドドアは欲しいけれど、自転車を積むわけではないから、車内の広さは追求しない」と考えるユーザーにピッタリです。天井の高さを少し抑えて、内装の質を高めました。
とくに大人4名で移動するニーズに適しており、長距離の移動も快適です。その意味では、ターボ仕様が今後追加されるかもしれません。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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