プジョーの最上位ワゴンにPHEV追加!「508SW GTハイブリッド」の真の実力とは

プジョーのフラッグシップモデル「508」「508SW」に2021年6月に追加されたプラグインハイブリッド(PHEV)モデルが「508・508SW GTハイブリッド」です。ガソリン、ディーゼルエンジンモデルに加えられたPHEVの登場で、ユーザーが純粋でパワートレインの好みで508を選べる「パワーオブチョイス」のコンセプトが明確になりました。今回はそんな508SWハイブリッドに3週間乗ってみてわかった真の実力をレポートします。

1.6リッターターボでもモーターのおかげで力強い走り

 プジョー「508SW GTハイブリッド」は、1.6リッター直列4気筒ターボチャージャーと電気モーターを組み合わせたパワートレインを持ち、100V/200Vで充電できるプラグインハイブリッド車(PHEV)です。

 2021年6月に日本に導入された最新モデルで、プジョーのラインナップの中ではフラッグシップモデルとなります。今回はこの5ドアステーションワゴンを3週間借りて2354km走行したインプレッションをお伝えします。

プジョー「508SW GTハイブリッド」の走り
プジョー「508SW GTハイブリッド」の走り

 プジョー流のPHEVの考え方は、通常のHEV(ハイブリッド車)の二次バッテリーを大きくして外部充電できるようにしただけではなく、バッテリーに電気があるうちはどんどん電気で走るというプログラムになっています。

 HEVは通常走行でもバッテリーに電気を貯めるようにしますが、プジョーはエンジンを回して(ガソリンを使って)まで電気を貯めようとはしません。

 バッテリーに電気が満タン(8個のインジケーターが全部点灯)状態なら、深めにアクセルペダルを踏み込んでもエンジンがかかることなく、ほぼBEV(電気自動車)のように走ります。これは節約術に長けたフランス人らしい発想かもしれませんが、PHEVとしては納得できるプログラムです。

 もちろん峠道の長い下り坂では、ブレーキによる回生によってバッテリーインジケーターが1個か2個点灯するほど充電できます。

 回生は、Dレンジのままだと通常のエンジンブレーキ程度ですが、もう一度セレクターを後ろに引くとBレンジになり、回生が強くなります。もう一度引くとDレンジに戻ります。Dレンジではアクセルオフでもどんどん加速してしまうような下り坂でも、Bレンジでは減速していくほど強い回生ブレーキが働きます。

 パノラミックサンルーフ付きの試乗車の車両重量は1850kgです。いくらターボチャージャー付きといっても、1.6リッターエンジンでは心細い気がしますが、最高出力180馬力/6000rpm、最大トルク300Nm/3000rpmを発揮、するのでラゲッジルームに荷物を満載しても元気よく走ります。

 さらに電気モーターも力があります。最高出力110馬力/2500rpm、最大トルク320Nm/500-2500rpmと、モーターだけでも十分な力を発揮します。だからモーターだけの走行が可能なのです。

 システムトータル出力は225馬力・360Nmとなります。アクセルペダルの踏み込みが深ければ、エンジンと電気モーターの両方で走ることができるので、パワートレインはかなりの余裕があります。

プジョー「508SW GTハイブリッド」のインパネ
プジョー「508SW GTハイブリッド」のインパネ

 通常の街中走行では、エンジンがアイドリングストップ状態から信号が青に変わってスタートするときは、先に電気モーターで駆動が始まってからエンジンがかかるという順番になります。だから非常に滑らかに、振動やショックなくスタートすることができます。

 ただし電気モーターで走行中にエンジンがかかるときには、そのタイミングによって若干の振動を伴うこともあります。

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