今ではかなり貴重な存在? 庶民的な最新スポーティカー3選

速く走ることに特化したスポーツカーは、クルマ好きには憧れの存在です。国産メーカーではひと昔前に比べてだいぶ数も減り、しかも生き残っているモデルは高額です。そこで、ドライビングプレジャーあふれるクルマながら比較的安価なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

手頃な価格で入手可能な最新スポーティカーを振り返る

 クルマ好きなら一度くらいはスーパーカーやハイパーカーを所有してみたいものですが、ポンと家が買えるくらいの財力が必要なため、まったくもって現実的ではありません。

 一方、国産スポーツカーならなんとか手が届くという人も多いと思いますが、実用性や経済性を考えると、やはり手軽には買えないでしょう。

比較的安価でもドライビングプレジャーあふれるクルマたち
比較的安価でもドライビングプレジャーあふれるクルマたち

 近年、ニーズの変化から国産スポーツカーもだいぶ減ってしまい、今生き残っているモデルも高額なモデルばかりです。

 しかし、見た目にも速そうなスポーツカーではないけれど、純粋に走りを楽しめるスポーティなクルマならば、比較的安価で入手が可能。

 そこで、ドライビングプレジャーあふれるクルマながら比較的安価な最新モデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「スイフトスポーツ」

もはや日本を代表する生粋のホットハッチ「スイフトスポーツ」

 今や国産ホットハッチの代表的存在であるスズキ「スイフトスポーツ」。現行モデルは2017年に登場した4代目で、シリーズ初のターボエンジンと、3ナンバーボディが与えられました。

 2020年5月には一部改良され、6速AT車は安全装備の充実が図られています。

 ボディは通常のスイフトに比べトレッドを30mm拡大し、それに伴ってフェンダーを20mm拡幅(全幅で40mm)したことにより3ナンバー登録となりました。

 一方、ボディの拡大が実施されたにも関わらず、新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用に加え、内装部品に至るまで素材を吟味した結果、3代目から70kgもの大幅な軽量化を実現。車重は十分な快適装備や先進安全技術を搭載したうえで、わずか970kg(MT)です。

 パワーユニットは1.4リッター直列4気筒ターボエンジンで、最高出力140馬力を誇り、トランスミッションは6速ATと、クロスレシオの6速MTを設定。

 サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビームと、コンパクトカーでは定番のシンプルな構造ですが、モンロー製ダンパーが奢られた専用セッティングによって優れた旋回性を発揮。ブレーキも4輪ディスクを採用しているなど、軽量な車体でも装備に妥協がありません。

 スイフトスポーツはコンパクトな車体で使い勝手が良く、普段使いでの実用性も良好、それでいてゆっくり走っていても楽しいと、申し分なしです。

 価格(消費税込、以下同様)は、先進安全技術のスズキ セーフティ サポート非装着車(受注生産)なら187万4400円からと格安で、安全装備込でも201万7400円からと十分に安価です。

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●ホンダ「N-ONE RS」

6速MTを設定して一気に軽スポーツに仲間入りを果たした「N-ONE RS」

 ホンダは1967年に同社初の軽乗用車「N360」を発売しました。当時のライバルと比べかなりハイパワーな31馬力(グロス)を誇り、FFを採用したことから室内も広く、とくに若者を中心に大ヒットを記録しました。

 このN360をオマージュして開発されたのが、2012年に誕生した初代「N-ONE」です。そして、2020年11月に2代目へとフルモデルチェンジを果たしました。

 外観は初代のシルエットを継承しながらも細部の意匠を変え、シャシも一新。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm(2WD)と、初代よりも全高が65mm低くなったことと前後バンパー下部の造形を工夫することによって、より安定感のあるフォルムを実現。

 内装も水平基調なデザインのインパネに一新し、充電用USBジャックや各種収納も使いやすい位置にレイアウトされ、実用性も高められています。

 グレードは、自然吸気エンジンの「オリジナル」と「プレミアム」、そしてターボエンジンの「プレミアムツアラー」と「RS」の全4グレード展開。

 エンジンは全車660cc直列3気筒で、自然吸気エンジンは最高出力58馬力、ターボエンジンは64馬力を発揮し、トランスミッションはCVTだけでなく、RSグレードではFF軽自動車初の6速MTが設定されました。

 この6速MTは「S660」に同じくクロスレシオかつショートストロークで、小気味よくシフトチェンジが決まるシフトフィールを実現。さらにシフトノブの形状は「S2000」のデザインをモチーフとし、クラッチの踏力軽減やペダルに伝わる振動を低減するなど細部にまでこだわっています。

 また、CVT車ではマニュアルシフトが可能なパドルシフトも採用されており、2ペダルならではのスポーティな走りも可能です。

 RSの価格は6速MT、CVTともに199万9800円で、軽自動車では少々高めの設定ですが、パワフルな64馬力をめいっぱい使い、6速MTを操作して走る楽しさを味わえるなら、リーズナブルなのではないでしょうか。

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●マツダ「マツダ2 15MB」

ベーシックカーながら希少なモータースポーツベース車の「マツダ2 15MB」

 マツダのエントリーモデルである「マツダ2」は、前身の「デミオ」の誕生から25年もの歴史のあるモデルです。

 ベーシックカーとして開発されたデミオですが、2014年に登場した4代目が2019年9月のマイナーチェンジで、車名をグローバルで統一したことでマツダ2へと変わり、さらにプレミアムコンパクトカーというコンセプトとなりました。

 搭載されるパワーユニットは1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンと、クラスで唯一の1.5リッター直列4気筒ディーゼルエンジンを設定。全グレードで2WDと4WDが選べるなど、さまざまなニーズに対応しています。

 外観はマツダのデザインコンセプトである「魂動デザイン」により、精悍さと力強さを重視。内装も上級車とイメージを共通とすることで、上質なコンパクトカーというイメージです。

 そしてマツダ2には、走りに特化したグレードとしてモータースポーツベース車の「マツダ2 15MB」をラインナップ。

 15MBは装備を簡素化し、エンジンはスタンダードグレードと同じ1.5リッター直列4気筒ガソリンながら、プレミアムガソリン指定で最高出力は110馬力から116馬力へと6馬力向上しています。

 トランスミッションは6速MTのみで、ギア比のクロスレシオ化と最終減速比は専用に設定され、コーナーの立ち上がり加速を重視。

 15MBはモータースポーツベース車とはいえ、エアコンやパワーステアリングなどの快適装備に、先進安全技術も搭載されており、普段使いも考慮されています。

 価格は165万円と安価に設定されているので、ホイールやタイヤ、足まわり、シートなど、後から自分好みに仕立てるのも楽しいでしょう。

 なお、2021年6月にマツダ2は一部改良がおこなわれていますが、15MBのスペックや装備は従来のままです。

※ ※ ※

 今回、紹介したなかでもスイフトスポーツとマツダ2は、まさに日本の道ではベストな選択といえるでしょう。

 パワフルなスイフトスポーツか、自然吸気エンジンならではのレスポンスに優れたマツダ2か、甲乙つけがたいところです。

 このクラスのスポーティカーは本当に貴重な存在なので、電動化の波も押し寄せていますが、なんとか同様のコンセプトで生き残ってもらいたいと願わずにはいられません。

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1件のコメント

  1. スイフトにつきましては、スポーツよりRSのほうがよりダイレクトなイメージを感じます。
    NAながら、下のトルクが薄いだけにギアの選択が楽しいです。
    知人が購入の際、同行してのワタクシのインプレッションです。もちろん知人もRSを選択しました。

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