日産 新型「フェアレディZ」 7代目へ刷新で原点回帰!? 次世代型では電動「e-Z」化も濃厚か?
8代目はe-POWER搭載の「e-Z」か?
そうしたなか、かなり気が早いですが、8代目「Z」はどのようなクルマになるのでしょうか。
気になるのは電動化です。
世界的に急加速するEVシフトなどの電動化の流れによって、ガソリンエンジンのみで駆動する「Z」は7代目がファイナルモデルになることがほぼ間違いない情勢です。
そうなると、7代目「Z」という表現は「Z」の歴史に大きな区切りをつけるという意味合いも感じられます。
まさか、8代目は存在せず、今回の7代目で「Z」は終焉してしまう可能性はあるのでしょうか。
そうした不安を払拭するのは、今回の北米仕様発表会で世界中のZファンが感じた、日産にとっていかに「Z」が重要な存在かということです。
そうした日産にとって、企業文化の象徴である「Z」を継続させることは日産の事業全体のなかで最優先課題であるはずです。
日産はいま、NISSAN NEXTという大規模な事業再生計画の道半ばにいます。その初期対応は概ね成功しており、財務状況では来年度の黒字化の公算が高まってきました。
また、電動化については、ルノー日産三菱アライアンスのなかで中小型車向けEVとe-POWERで、3社のなかでのリーダーとなり、ルノーと三菱がフォロワーとなる総括的な事業戦略を構築している状況です。
e-POWERについては、先に登場したオーラNISMOでチューンドe-POWERや、中国仕様などの新型エクストレイルで採用された1.5リッターエンジンのVCターボ型e-POWERが、日本のユーザーの間でも大きな話題となっています。
順当に考えれば、8代目は「e-Z」化され、その実態はVCターボをさらに進化させた高出力型e-POWERというイメージが描けるのではないでしょうか。
日産の内田誠CEOは2021年度第1四半期決算の際、NISSAN NEXTを踏まえた今後10年先、またそれから先を見据えた電動化戦略について、今秋を目途に公表すると明言しています。
このなかでは当然、「Z」はもとより「GT-R」を含めた日産スポーツカーの将来構想も含まれているはずです。
次世代「Z」のさらなる進化を期待しながら、7代目「Z」の日本仕様発表を心待ちにしたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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