「お、速い!」日産新型「オーラNISMO」は軽快感が段違い!? 日産本気のスポーツ仕様の実力とは

日産は、2021年8月17日に新型「ノートオーラNISMO」(以下、オーラNISMO)を発表しました。専用のパーツを多数装備し、「駿足の電動シティレーサー」というコンセプトを掲げる新型オーラNISMOはどんなモデルに仕上がっているのでしょうか。

専用アイテムを装備したオーラNISMOは「パワー感」が違う!?

 日産「ノート」シリーズの第3弾となるモデルが「ノートオーラNISMO(以下オーラNISMO)」です。2020年12月にノートがフルモデルチェンジして以降、多くの人から「NISMOはいつ登場するのか?」と待ち望まれていました。

日産新型「オーラNISMO」
日産新型「オーラNISMO」

 実は先代ノートNISMOはグレード比率がモデルライフ平均で7%(最大で14%)という高い人気を誇り、「マーチNISMO」と共に「ニスモロードカーシリーズ」の裾野と知名度を大きく高めたモデルでした。

 ただ、気になるのは、新型は標準仕様のノートではなく、上級モデルの「ノートオーラ」に設定されたことでしょう。この辺りを開発陣に聞くと、「出力アップされた『パワートレイン』と3ナンバーボディの『デザイン』を活かすため」とのことでした。

 NISMOロードカーを簡単におさらいすると、2013年に「日産車にさらなるワクワクを」、「レーシングテクノロジーを量産車へフォードバック」をコンセプトに生まれた日産のサブブランドのひとつで、日産自動車、NISMO、そしてオーテック・ジャパンのタッグによる集団「NISMOロードカー事業部」で企画・開発をおこなっています。

 オーラNISMOのコンセプトはほかのモデルと変わりませんが、新世代にアップデートされています。それは「先進性と本物志向」を備えたスポーツバージョンであること。

 エクステリアは先代と同じくモータスポーツで培ったエアロダイナミクスをフィードバックしたエアロパーツが追加されています。

 Cd値(空気抵抗係数)はノーマル(0.31)をキープ、Cl値(揚力係数)はマイナスリフト(0.14低減)と、走行性能の寄与する機能部品と考えはそのままですが、新たにフォーミュラEをインスパイアしたデザインの採用で、クリーンなダイナミックさをプラス。

 先代のようなチューニングカー感覚は薄れましたが、メーカー直系のスペシャルモデルらしいスマートな本物感は増しています。

 インテリアは専用のステアリング(本革&アルカンターラ)やメーターグラフィック、レカロシート(オプション/標準はノーマルシートの表皮違い)などをプラス。

 インテリアカラーはスポーツモデル定番となる「ブラック&レッド」のコーディネイトですが、レッドのアクセント/カーボン柄をバランスよく用いることで、ノーマルモデルの質感の高さも相まって、子供っぽさはなく大人も納得のハイセンスでマチュア(成熟した)なコーディネイトとなっています。

 パワートレインはノーマルの時点で先代e-POWER NISMO S同等のパフォーマンスですが、オーラNISMOではスペックは不変ながらも、「加速の伸びの良さ」、「レスポンス」を重視した制御系チューニング(VCM)を採用。

 ドライブモードはノーマルモードとNISMOモード(ノーマルのスポーツモードから変更)」が専用仕様となっています(Ecoモードはノーマルのスポーツモードと同じ)。

 フットワーク関連は専用アイテムを数多く採用しています。

 ボディはリアバンパーリーンフォースに補強が追加される程度ですが、これはコストアップを抑えるために手を抜いたのではなく、新型のプラットフォームの基本素性が先代に対して飛躍的にレベルアップしたので、「手を入れる必要がなかった」というのが正解です。

 シャシ系は20mmローダウンされたスプリング(レートはフロント:36%アップ、リア:25%アップ)、ショックアブソーバー(フロント:外筒板圧アップ、リア:モノチューブ化)、そしてバンプラバーが専用品。

 足元はミシュラン・パイロットスポーツ4(205/50R17)と専用アルミホイール(ノーマルの6.5Jから7Jにワイドリム化)の組み合わせ、もちろんEPSアシストマップやシャシ制御(VDC/インテリジェントトレースコントロール)なども専用の適合品となっています。

 今回はナンバー無しモデルだったこともあり、試乗は神奈川県・追浜の「グランドライブ」で実施。クローズドコースであるメリットを活かし、一般道を想定した速度域からハイスピード領域までチェックすることができました。

 ノーマルとの違いは発進した瞬間から明確です。まず、パワートレインですが、「力の出し方」と「応答性」が異なります。

 例えるならば、ノーマルのオーラはノートからの出力アップ分(+15kW、+20Nm)を「ゆとりの走り」に使っているイメージですが、オーラNISMOは確実に「パフォーマンス」に使っているイメージです。

 いうなれば、ノーマルは「トルク感」、オーラNISMOは「パワー感」を大事にした制御というわけです。

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