電動キックボードは気軽に乗れる? 過去には逮捕者も! 意外と知らない運転方法

普及しつつある「電動キックボード」ですが、現段階では原動機付自転車と同等の扱いとなり、運転免許やナンバープレートの装着、保安基準の適合が求められています。では、運転するにはどのようなルールが存在するのでしょうか。

街中を走る電動式キックボードはナンバーがないと違反?

 街中で見かけるキックボードには、バッテリーとモーターを搭載した「電動キックボード」というものがあります。
 
 海外を中心に次世代モビリティとして注目を集め、日本では本格導入に向けて実証実験も始まっています。
 
 タイプによってはかなりのスピードも出る電動キックボードですが、街中ではナンバープレートを付けていないものを見かけます。ナンバープレートをつけていないと違反になるのでしょうか。

普及しつつある電動キックボードだが、小型なサイズかつバランスを崩しやすいこともあり、長袖長ズボンなど肌の露出を抑えた格好が望ましい(画像はイメージ)
普及しつつある電動キックボードだが、小型なサイズかつバランスを崩しやすいこともあり、長袖長ズボンなど肌の露出を抑えた格好が望ましい(画像はイメージ)

 電動キックボードの全長は1mほどのコンパクトな設計で、マンションのエレベーターにも乗せやすく、ハンドルを折りたためば玄関で保管することも可能です。

 しかし2021年8月現在、電動キックボードは基本的に道路交通法で「原動機付き自転車」(原付バイク)と同じ扱いで分類されています。

 歩道を走ることは出来ず、公道を走る際には原動機付自転車を運転することができる運転免許が必要になるほか、自賠責保険の契約、ヘルメットの着用が求められます。

 さらに、電動キックボード自体は原付バイクと同じように制動装置、前照灯、後写鏡などの構造や装置を道路運送車両法の保安基準に適合することや、区市町村税条例で定める標識(ナンバープレート)を取り付けていることが求められます。

 そうしたなかで、2021年4月から東京や大阪などの都市圏では、電動キックボードのシェアリングサービスの実証実験がおこなわれるなど、手軽に利用するための環境整備が進められています。

 また、持ち運びや保管の手軽さから「次世代モビリティ(移動手段)」として、国や政府の期待が高く、東京オリンピックでは聖火リレーの先導にも電動キックボードが使用されました。

 そんな普及が拡大している電動キックボードは、法律的な整備の法整備を進めるために、国土交通省や警察庁などの関連省庁で、環境整備や利用推進のための有識者会議も設けられています。

 しかし、2021年6月には、電動キックボードを無免許かつ飲酒運転をしたとして、福岡県の自称自営業の男性が道路交通法違反(無免許、酒気帯び運転)容疑で福岡県警に逮捕される事案も起きています。

 神奈川県内の警察署交通課の担当者は、電動キックボードの使用について以下のように話します。

「電動式のモーターで走行する電動キックボードは、道路交通法、道路運送車両法上で原動機付自転車に該当します。

 原付バイクと同じなので、公道上を走る際にはヘルメットも必要で、ナンバープレートも装着しなければなりません。

 ヘルメットもナンバープレートも付けずに公道を走れば、検挙の対象となります」

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