一方で、2021年7月23日から8月8日、8月24日から9月5日にかけて開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の交通渋滞緩和のひとつとして、首都高の通行料金が時間帯によって異なる変動料金制が用いられています。

　具体的には、午前6時から午後10時までは都内区間において通常料金に1000円上乗せし、一方で午前0時から午前4時までの夜間時には首都高全線で通常料金から5割引といった内容です。

　前述の国土交通省の検討案を受けて、SNSでは「首都高の1000円上乗せいつまで続くの？」「オリンピック後も値上げされたままなのかな」「首都高の料金値上げ続くってまじで？！」といったように、東京2020大会で取られた施策が続くという認識の声が多く見受けられています。

　この内容について、前述の担当者は以下のように話します。

「現在、東京2020大会にておこなわれている施策は、あくまで大会開催を受けて混雑緩和のための制度です。

　今後のロードプライシングが導入される内容については、別の施策と捉えた方が良いでしょう」

　ただし、導入を検討する際には、東京2020大会期間中の効果なども考慮される可能性が高いといえます。

　実際に、東京2020大会の開催をうけておこなわれている料金変動ついては、首都高が2019年の同日と比較した平均交通量のデータを公表しており、その効果がうかがえます。
　
　例えば、東京2020大会に向けて取られた施策初日の2021年7月19日では、2019年の同日に比べ平均交通量が12％減少、実施後初の土曜日となった7月24日では32％も減り、実施されている全日において交通量の減少が見られています。

　今回提案された第51回国土幹線道路部会のなかでも、東京2020大会の料金変動について触れられており、このような効果があることを踏まえると、今後も混雑緩和といった目的のために料金変動制が導入される可能性は高いといえるかもしれません。
　
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　また、今回の第51回国土幹線道路部会にて、「2065年までの高速道路の有料期間を再延長すべき」という話も出ており、「将来的に無料化」となる高速道路料金に関しては、引き続き継続される可能性もあるようです。