トヨタ最高級セダン「センチュリー」なぜ人気? 究極の日本車カスタムがアメリカで注目される訳
実際のセンチュリーオーナーに聞いてみた! センチュリーの魅力と苦労
アメリカでは販売された歴史が一切ないために、部品の入手も大変なようですが、それでもセンチュリーに魅入られ、苦労しながらもセンチュリーのカスタムを楽しんでいるアメリカ人オーナーにその魅力を聞いてみました。
●Pete(ピート)さん(米国カリフォルニア州在住/1991年式センチュリー所有)
「センチュリーは6000ドル(約66万円)で2年前に購入しました。ボディのディテールやデザインは、当時としては素晴らしいものだと思います。手作りで丁寧に作られています。
また、背中をマッサージしてくれるシートやラジオのワイヤレスリモコンなど、インテリアのデザインや装備なども20年以上前のクルマでは考えらないほど先進的だと思います。
エンジンも素晴らしいですね。V8エンジンはスムーズに走ってくれます。そして、完全に話のタネになります。
カスタムエアサスペンションは完了し、これからワンオフのメタルリップを車両全体に、またフォグインサートとリアのデュアルエグゾーストも作るつもりです。
初代センチュリーの純正に近いホイールを探すのに2か月もかかりました。パーツ入手に関しては苦労も多いですがとてもユニークなクルマで気に入っています」
●Steve・Kopito(スティーブ・コピート)さん(米国カリフォルニア州在住/1991年式センチュリー所有)
「1990年代初頭に日本に住んでいたときにセンチュリーに魅了され、ずっと欲しいと思っていました。
それから30年後、友人が日本の中古車店で手頃な価格のセンチュリーを見つけてくれたので購入してもらい、カリフォルニアへの輸送を手配してくれました。ほかの部品と一緒にコンテナに入れてカリフォルニアに送ってくれたんです。
センチュリーの好きなところは色々ありますが、やはりV8エンジンですね。非常にスムーズで静かな走りを実現しています。
また、組み立てや塗装など細部へのこだわりが素晴らしい。センチュリーは基本的に手作りのクルマでロールスロイスのように組み立てられていると聞きました。トヨタの工場のなかでももっとも熟練した職人が担当しているとも。
ただ、年間生産台数が非常に少ないこと、またスペアパーツが一般に出回ることも少ないため苦労しているのはやはり部品の入手です。
日本以外の国では販売されていなかったので、世界中から部品を調達することもできません。
それでも私はセンチュリーに強い魅力を感じていますし、30年来の夢を実現できてとても幸せです」
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アメリカの中古車情報を見てみると、センチュリーが意外と安価(1万ドル以下。日本円で70万円から120万円が主流)で販売されています。
今後、センチュリー人気が過熱すると価格が高騰する可能性もあります。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
実はV12以前のV8は個人で所有している方が多かったですね。
何より運転しやすいです。
OHVのV8とかセンチュリーにはすっぽり収まるユニットでしたし