教室にバイク 静岡県の美術系高校生 ホンダ「グロム」のカラーリングでデザイン力を競う

静岡県の三島学園「知徳高校」の創造デザイン科有志と美術工芸部員が、ホンダ「グロム」をテーマにカラーリングのデザイン力を競います。教育現場で自動車に関連するテーマを扱うことは珍しく、高校生の斬新な発想が期待されています。

学校にバイク、自動車産業の担い手としての期待も

 2021年7月中旬、三島学園「知徳高校」(静岡県駿東郡長泉町)の美術室にはデカールのないバイク、ホンダ「GROM(グロム)」が運び込まれました。自主製作の絵画やデッサン画のための石膏像に囲まれるグロム。学校の教室にバイクという風景はかなり異色ですが、テーマを投げかけられた生徒にとっても、バイクのカラーリングは初めての挑戦。黒色の車体を遠巻きに、何をきっかけに想像をふくらませるべきか考え込んでいる様子です。

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美術教室に搬入されたグロム。カラーリングをするため、デカールが取り除かれている。「さて、どうしよう」と考えこむ美術工芸部員と顧問の先生

「ラッピングデザイン・コンペティション」と名付けられた課題は、レース用車両としてふさわしいカラーリングを考えることです。まずは各自がアイデアを平面図に落とし込みます。公募は2021年7月末日まで。レース中にもわかりやすく、選手の気分を盛り上げる独創的な色彩デザインを基準に選考され、採用されたアイデアは専門家が塗装を施します。車両は、秋以降のレースに使われます。

 専攻科がある学校でもない限り、自動車に関する授業は技術系でもほとんどありません。工業デザインを中心に学ぶ創造デザイン科の生徒でも、それは同じ。その技術に触れる経験ができる高校生は、工業系でもごく一部に限られています。

 静岡県は世界をリードする2&4メーカーの集積地ですが、自動車産業への就職希望者は減少の一途です。そこがコンペ開催に至った大きな理由でした。

「見てるだけじゃわからないから乗ってみよう」と、交替でまたがってみる生徒たち。「黒を生かして考えてみる?」という声も

 いきさつは後述しますが、美術工芸部の部員は、4輪レース専用車「VITA-01」のカラーリングを手掛けた経験がありました。次は2輪車となった理由はなりゆきではありません。そこには高校の枠を超えた課外活動の存在がありました。

伊豆地区の高校生ら、2&4課外クラブ「原動機研究部」が車体提供

 知徳高校美術工芸部員による「VITA-01」のカラーリングは、静岡県伊豆地区にある高校に在籍する高校生の課外クラブ「原動機研究部」(以下、原研)の活動がきっかけでした。2020年から2021年、原研は女性ドライバー限定の4輪プロレース「KYOJO-CUP」の参戦車両の整備を手伝うことになりました。

2021年3月、「VITA-01」を見るために富士スピードウエイを訪れた美術工芸部員。狭いコックピットに原研部員の高校生が誘導した

 車両所有はレース車両や用品を販売する「A・Q・M Company」(三島市・アキューム・カンパニー)です。原研の保護者が勤務し、レース活動のサポートを社員教育に役立てている経験から、整備のヘルプとして高校生の参加を認めました。そこで、参戦車両も高校生のアイデアで一新しよう、ということになったのです。

 原研部員は伊豆地区を中心とした高校、高専の6校の学生とOB、約10人が所属しています。部員がそれぞれの学校に声をかけ、知徳高校が賛同してくれたのです。創造デザイン科の学科長で美術工芸部の顧問でもある柴田寛志教諭が、ホンダ「CT125・ハンターカブ」を愛好するライダーだったことは幸いでした。

「“デザインで社会とつながる”活動の一環として、生徒たちに腕試しの場をいただいたことに感謝しています。大人には真似できない、生きのいいラッピングデザインが生まれることを期待しています」(柴田学科長)

 美術部員3年生の広瀬鈴奈さんは、和歌山県で開催される「紀の国わかやま総文」大会の美術工芸部門に県代表として出品する絵画製作の合間を縫ってコンペに参加。同じ3年生部員の目黒花波さん、太田心萌さんは全国高等学校ファッションデザイン選手権大会・静岡県代表として出品を予定しています。そんな実績を持つ部員と総勢113人の創造デザイン科生徒たちの競作になります。

コンペ参加を予定する美術工芸部員。左から2年生の内海妃南さん、3年生の広瀬鈴奈さん、太田心萌さん、目黒花波さん

「VITA-01」はメカニック見習いだけでしたが、今回のグロムは原研部員がライダーとメカニックの両方でレース参加を模索中。車両のカラーリングに後押しされ、今から良い結果が期待されています。

提供:バイクのニュース


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