スマホ時代なのになぜ売れる? カーナビの販売が堅調な理由とは?

カーナビの大型化はエンタメを楽しむのに必須

 最大の理由と考えられるのは、エンタテイメント系のコンテンツを楽しむのにスマホではもの足りないという点です。

一見して車載ナビにも見えるが、ディスプレイオーディオでスマホ用ナビアプリ「Yahoo!ナビ」を展開している。写真は三菱「エクリプス クロス」
一見して車載ナビにも見えるが、ディスプレイオーディオでスマホ用ナビアプリ「Yahoo!ナビ」を展開している。写真は三菱「エクリプス クロス」

 スマホには多くの楽曲を収録できるものの、走行中はロードノイズの影響を受け、スマホ内蔵スピーカーだけではサウンド的にももの足りません。となれば車載スピーカーに頼らざるを得ず、結局はその再生のために最低限車載オーディオは必要になります。加えて映像系コンテンツも欲しいなら、ディスプレイ付きカーナビは欠かせません。

 ユーザーは動画コンテンツへのこだわりも大きいのです。ケーブルTVの歴史が浅い日本は、海外に比べてTV番組が充実しており、それを移動中でも見たいユーザーは多くいます。またDVDなどを好むユーザーも少なくありません。

 さらに最近では、市販/純正ともカーナビのディスプレイがどんどん大型化し、そのサイズはスマホをはるかに上まわっています。スマホをダッシュボードに取り付けて使うよりも、大型ディスプレイで一体感のある車載カーナビの方がカッコイイとの考え方も生まれてきているのです。

 加えて、提供されるスマホのナビアプリでは、実力としてもの足りなさを感じている人も少なくありません。最近は新車にディスプレイオーディオを標準装備するモデルも多く、スマホを接続すればそれだけでナビアプリを使えるようになっています。

 画面サイズも大きいことから使い勝手も向上するため、一見するとスマホナビが車載ナビのように使えてベストな組み合わせにも見えます。しかし、スマホナビの基本スペックが向上するわけではありません。車載ナビを使った経験がある人なら、その差をハッキリ実感できるはずです。

 じつは、スマホで使うカーナビアプリにはスペック的な限界があるのです。ナビアプリの多くは地図データを含むすべてを通信に頼ります。現在の携帯電話で使われる4G通信網は、通信速度はスペック上は十分ですが、それはあくまでベストエフォートでの話。

 通信速度は有線に比べて不安定で、混雑時はデータ通信が極端に遅くなることもあり得ます。これを考慮して、大半のナビアプリはデータをできるだけ軽い状態で使えるプラットフォームで設計されています。

「Yahoo!ナビ」は無料で使えるナビアプリとは思えない充実したデータを備えるが、道路の高低差をはじめ、車載ナビの充実度には及ばない
「Yahoo!ナビ」は無料で使えるナビアプリとは思えない充実したデータを備えるが、道路の高低差をはじめ、車載ナビの充実度には及ばない

 たとえば街区表示は必要最低限にとどめ、交差点拡大図もほとんどはスケールアップで対応しているのがほとんど。音声案内は基本的にTTS(Text to Speach)による合成音。車載カーナビでは常識の、道路の高低差認識にも非対応です。

 さらにアプリによっては大型施設の入口情報に非対応で、入口とはまったく違う場所に案内されることだってあります。ナビアプリでは、これらのデータを最小限とすることで送信しやすくしているわけです。

 高速通信を謳う5Gになれば、これらの問題は解消する可能性はありますが、残念ながら5Gは、移動体であるクルマで対応するためには、アンテナをいままで以上に高密度で整備する必要があるのです。つまり、クルマで5Gのメリットを活かすには、半端じゃない投資が必要になります。

 遅々として5Gの整備が進まない理由も、じつはここにあります。仮に地図データを充実させればそれはコストに跳ね返るわけで、アプリが無料で使えなくなる可能性だって考えられます。

 スマホナビが測位を基本的にGPSだけに頼ることも、差を生む要因となっています。

 トンネル内ではGPSによる測位を継続できなくなるし、高架下やビルの谷間でも不安定になりがち。その上、地下駐車場や立体駐車場では出口で自車位置を見失っていることがほとんどで、駐車場から出た際にはどちらへ進んでいけばいいのかわかりません。その点、車載ナビは、車速パルスやジャイロセンサーを併用しているからこうしたエラーがほとんど発生しません。これはナビとしての使い勝手で大きな違いです。

 こうした状況を踏まえると、ちまたでよくいわれる「スマホナビは初心者向け」という考え方は当てはまりません。むしろスマホナビは、正しい位置が測位できなくても、頭の中でその補正ができる熟練ドライバーでこそ使いこなせるもの。その意味で初心者こそ常に安定した測位をする高精度な車載ナビの方が向いているともいえるでしょう。

 そしていま、車載ナビはその役割を運転支援の一部として重要性を高めつつあります。

 とくに自動運転をサポートするには、高精度化されたたデータとロケーション能力が欠かせないため、その能力を十分に引き出せるのもやはり車載ナビでしかないのです。いまやカーナビは、単にルート案内をするためのものだけではなくなっているのです。

 一方でスマホナビは、今後も身近な存在として発展していくのは間違いありません。つまり、スマホナビと車載ナビは、それぞれの特徴を活かしながら、独自の発展を遂げていくことになります。カーナビはいま、そんな時代を迎えているのです。

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コメント

6件のコメント

  1. 画面が大きいと気をとられて事故になりやすい、行き先がわかれば十分と思いますね。

    • 私はこれのDVD版をつけてます
      デカいから気を取られる?
      それは偏見ですね
      何をするにも散漫だから脇見事故が起きるんです
      ナビのせいではありません
      それならスマホはもっと小さいのになぜ事故が多いのか
      わかりますよね?

  2. 乗り降りする度にスマホをセットしてアプリ起動するのは時間がもったいない。時給が安い人は良いんじゃないかな

    • どんだけ時間に追われてんのよ

  3. 安全の為にバックモニター付ければ当然ディスプレイがいる訳だからセットですよ
    後ろの死角に子供がしゃがんで居たりしたら
    とんでもない事になります
    むしろナビがオマケだと思います

  4. 頻繁に車を買い換える人には、良いでしょうが、長く同じ車に乗り続けると、8年ほどで、地図データ更新が行われず(終了?)、新しいシリーズが販売され、数万円でナビだけ付け替え…と、なってしまいました。ネットのナビは、常時最新の地図データで案内され、工事などの通行止め(熊本県阿蘇の迂回路/九州の豪雨による通行止め…等)も、ルート検索時に、迂回して案内され重宝しています。私個人は、8型サイズのタブレットでネットでのナビが最適です。