スマホ時代なのになぜ売れる? カーナビの販売が堅調な理由とは?
誰でも手軽に使うことができるスマホのナビアプリ。無料のものも多くあり、また最新の渋滞情報も反映されるなど使い勝手も良く、カーナビの代わりとしても使うことができますが、それでもカーナビの売上は堅調に推移しています。その理由はなんなのでしょうか。なぜ高価なカーナビはスマホ時代のいまでも売れているのでしょうか。
2020年はコロナ禍で出荷台数は減少したが 今年は回復傾向
カーナビゲーション(カーナビ)で道案内をするのに重要なのは、なんといっても現在位置を正しく知ることです。

いまはこの役割をGPS衛星が果たしています、その昔は、紙地図と周囲の風景をチェックしながら現在地を推定して走るのが基本でした。
じつはこの作業は意外に難しく、誰もが簡単におこなえるわけではありませんでした。そのため、これが原因で夫婦げんかとなり、せっかくの旅行が台無しになったという話もよく聞きました。
その救世主として登場したのが、1981年に誕生した「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」です。

これは世界的にもカーナビの第一号として認められているもので、ガスレートジャイロセンサーを使う大がかりな仕掛けで現在地を測位しました。その10年後にはユーノス(マツダ)「コスモ」が現在地測位にGPSを使った世界初のカーナビを搭載。同じ年にはパイオニアから市販モデルが登場し、これを契機に時代は大きく変わっていったといっていいでしょう。
その後、大容量通信時代に入ると、その受け皿となるスマホがその役割を果たすようになり、現在に至ります。とくに最新の地図データをダウンロードしながら使えるナビアプリの登場はインパクトが大きく、多くの人が日常的に利用しているのではないでしょうか。
これさえあれば、10万円以上することが当たり前のカーナビなんて要らないんじゃないか。そう思う人が増えても不思議ではありません。しかし、そんな大方の予測に反して、カーナビの販売状況は市販/純正ナビを問わず、いまもなお順調に推移している様子なのです。
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の資料がそれを裏付けます。
統計を取り始めた2000年のカーナビ出荷台数は169万9000台でしたが、その10年後には526万3000台を記録。その後も出荷台数は500万台を超え続け、2018年には614万4000台にまで伸張しました。翌2019年には若干の下げが見られたものの、それでも604万1000台を出荷。
ただ、2020年はコロナ禍による新車需要が減退したこと、加えて半導体不足で生産そのものが低迷したこともあり、519万8000台と大きな落ち込みとなってしまいました。それでも2021年5月までのデータでは前年比106%にまで回復。このまま推移すれば、550万台前後に達するのではないかと予測されており、カーナビへの人気は決して衰えていないということがいえるのではないでしょうか。
ここまで、カーナビが根強い人気を保つ理由はいったいどこにあるのでしょうか。





















