フェラーリが馬の数で記録更新! 「グッドウッドFoS 2021」の主役は跳ね馬だった!

2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードには、数々のスーパーカーが勢揃いしたが、今年のフェラーリの気合いの入れ方は格別であった。

グッドウッドFoSで、フェラーリが馬力で記録更新

 英国ウェストサセックス州チチェスター近郊グッドウッドにて、毎年7月に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(通称FoS)」は、世界最大級の自動車のお祭り。昨2020年は、新型コロナウイルス禍により開催とりやめとなってしまったが、今年は2年ぶりの復活を遂げることになった。

 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは数多くのイベントやブースが展開されるなか、その素晴らしさをもっとも端的に示しているのは、メインイベントの「ヒルクライム」であろう。

 総面積1万2000エーカー、東京ドームに換算すると約950個分に相当するという広大なイベント会場のなかでも中核を成すステージ、「グッドウッドハウス」と呼ばれる古城周辺の庭園や牧草地の私道に設定されたコースを駆け抜けるヒルクライムでは、作られた年代や生産国、あるいは2輪/4輪を問わず、最上級のレーシングカーたちが持ち前のパフォーマンスを披露する。

 そのかたわら、当代最新のスーパーカー・ブランドにとっては、その走りを披露する絶好の機会も提供しており、ここでワールドプレミアがおこなわれた事例も枚挙にいとまがない。

 そんな状況のもと、今年はスーパーカー界の「盟主」フェラーリも現行ラインナップの大多数を引っ提げて登場。パドックでは主役の座に就いたようだ。

フェラーリ本社がグッドウッドに持ち込んだ車両の最高出力を総計すると、実に6290cvとなった
フェラーリ本社がグッドウッドに持ち込んだ車両の最高出力を総計すると、実に6290cvとなった

●英国デビューが5台も展示

 2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに際して、フェラーリは全社体制でバックアップ。出品した市販ストラダーレのうち、5台はここで英国デビューとなった。

 また、会場に持ち込んだ車両の最高出力を総計すると、実に6290cv(イタリア語における出力表示「cavalli=馬」の略称)に上った。
まず今回が英国デビューとなった5台は、「ローマ」の620cv、「ポルトフィーノM」の620cv、「812GTS」の800cv、「SF90ストラダーレ」の1000cv、「SF90スパイダー」の1000cv。さらにこれら5つのモデルに加えて、それぞれ720cvを発生する「F8トリブート」と「F8スパイダー」の双子の姉妹も姿を見せた。

 またフェラーリ「Icona」シリーズ第1弾となった美しき限定バルケッタ「モンツァSP2」は、「812スーパーファスト」をベースとしつつも、パワーは10cvアップの810cvをマーク。

 つまり、2021年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに正式出品された最新フェラーリの合計出力は6290cv。このイベントにおける、一ブランドの出品車両の総出力記録を更新することになったという。

 また「ヒルクライム」本戦に参加するパドックでは、現在ドイツDTMチャンピオンシップを闘っている2台のフェラーリ「488 GT3 Evo 2020」など、さらに多くの「跳ね馬」の姿が見られた。

 この2台には、フェラーリのサテライトチーム「AFコルセ」の正規ドライバーであるリアム・ローソン選手とアレクサンダー・アルボン選手が搭乗し、ヒルクライムコースで素晴らしい走りを披露したという。

 一方、フェラーリの象徴である「スクーデリア・フェラーリ」からは、ブランドアンバサダーを務めるマルク・ジェネ選手が、2017年の「フェラーリSF70H」を走らせたほか、ファンが見ることができるようにF1パドックに展示されていた2007年の「フェラーリF2007」と2009年の「フェラーリF60」も、ジェネ選手とともにグッドウッドの森に快音を轟かせたとのことである。

 さらに個人オーナーによるクラシック・フェラーリでは、このイベントの常連であるニック・メイスン卿(ピンクフロイドのドラマー)の「250GTO」を筆頭に、「166MM」や「512S」、あるいは「375F1」に「250GTブレッドバン」など、まさしく世界遺産級の至宝たちがヒルクライムに登場。

 世界最高峰の自動車イベントにおいても、やはりフェラーリこそがスターであることを高らかにアピールしたのである。

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