フェラーリを破った「GT40」がEVで現代に蘇る! どうして英国と米国のパートナーシップなのか

フォードがフェラーリにレースで勝利するまでを描いた映画『フォード vs フェラーリ』は、マット・デイモン主演で話題を呼んだが、劇中に登場する「GT40」は、2005年にフォード「GT」としてリメイクされるほどアイコン的な存在だ。そのGT40をEV化するプロジェクトを紹介する。

往年の名車「GT40」をEVで製作するプロジェクト

 英国オックスフォードシャーのアッパーヘイフォードに本拠置く「Everrati(エバーラティ)」は、2019年の創業以来、メルセデス・ベンツ「SL」やポルシェ「911」(964型)などをベースとした電気自動車、EVコンバージョンの製作をおこなってきた。

レースで活躍した往年の名車、フォード「GT40」がEVで蘇る
レースで活躍した往年の名車、フォード「GT40」がEVで蘇る

●以前からあった「GT40」をレストモッドする土壌

 そのエバーラティが2021年7月15日、フォード「GT40」をベースとした電動車のプロトタイプを発表した。GT40は1964年にデビューした、プロトタイプレーシングカー。ル・マン24時間レースやデイトナ24時間レースなどで数多くの勝利を重ねた、1960年代の名車である。

 このGT40はレーシングカーでありながら人気が高く、レギュレーションの変更によってレースには出場できなくなった1970年代から現在に至るまで、さまざまなレプリカモデルが製作されてきた。

 そのなかで、アメリカの「Safir Engineering」社は、フォードの正式な許可の元にGT40の商標を登録し、1981年から2000年まで、レプリカモデルを製作していた。

 さらに、やはりアメリカにある「Superformance(スーパーフォーマンス)」社が、Safir Engineeringとライセンス契約を結び、オリジナルのV8エンジンだけではなく、さまざまな原動機の搭載が可能なローリングシャシを現在も製作し、販売をしている。

 エバーラティは、このスーパーフォーマンス社と提携をすることで、このエレクトリックGT40と呼ぶべきクルマを製作した。

 開発に当たっては、重量配分を最適化するためのバッテリーの搭載位置や、カスタマイズされた電動パワーユニットなどに細心の注意が払われている。ICEパワー(内燃機関)からエレクトリックパワーへ変更されただけではなく、オリジナルの特長を活かすための開発がおこなわれているのだ。

* * *

 エバーラティの創業者でCEOであるJustin Lunny氏は、次のようにコメントしている。

「1960年代には、アングロアメリカンとのパートナーシップにより、多くの伝説的なクルマが生み出されました。初代のGT40は、英国人エンジニアのロイ・ルンが率いる英国のチームが、フォード・アドバンスドビークルで1960年代初頭に完成させたものです。ボディは英国のコベントリーで製作されました。

 だからこそ、エバーラティがスーパーフォーマンスとのパートナーシップを結ぶことは、自動車のアイコンとしての遺産だけではなく、英国と米国のパートナーシップを深める上でも、ふさわしいことだと思います」

 また、スーパーフォーマンスのCEO、Lance Stander氏も次のようにコメントを寄せている。

「私はV8エンジンを搭載したクルマが好きですが、エバーラティ社の先進的なEVパワートレインの超高性能は疑う余地がありません。私はエバーラティ社が、オリジナルGT40の重量配分や特長を維持するためにおこなっていることに、心から感銘を受けました。

 電動化はさまざまな意味で未来であり、クラシックスポーツカーを愛する人々に新たな選択肢を与えてくれます」

* * *

 このエバーラティのGT40は、アッパーヘイフォードにある旧米空軍基地跡に建設されたエバーラティの開発センターで、現在市販化に向けた作業がおこなわれている。このモデルの詳細については、これから数か月以内に発表される予定だ。

【画像】EVで蘇った「GT40」(10枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー