トヨタ・日産が新型SUV投入! スズキ独占のインド市場で売れるSUVに必要なモノとは
インド市場でボディサイズが「鍵」を握る?
こうしてインドで販売している日系メーカーのSUVを見ると、主力はコンパクトモデルだということがわかります。
さらに、「全長3995mm」というのがひとつのキーポイントになっていることが理解できますが、どうしてなのでしょうか。
それは、インドの自動車の税金が大きく絡んでいるからです。全長4m未満の自動車だと税金の優遇措置があり、なんとインドの乗用車市場では全長4m未満の車両が大多数を占めているのです。
少し前まで、スズキ以外のメーカーは全長4m未満のSUVを用意していませんでした。
なぜなら、インドのニーズにあわせた現地仕様を開発せず、大きな車体が好まれるインド以外の市場に向けて開発した車種をインドへも展開していたからです。
それもあって、インド市場に本気で取り組み、4m未満の小型車を積極展開していたスズキがより販売を伸ばすという結果になりました。
しかし、近年ではインドの自動車市場は世界でも有数の規模となっています。
そこでインドという成長市場でシェアを高めたい他メーカーも、最近になって全長4m未満のモデルをインド専用に開発して投入してきたのです。
その動きは日系メーカーだけに留まらず、たとえばインドでの乗用車シェアがスズキに次ぐ2番手となるヒョンデ/ヒュンダイも、2019年に「ヴェニュー」という4mを切るSUVを初投入しました。
中国メーカー(中国とインドは仲が良くないので中国の会社であることが目立たないようにブランド戦略している)もそれに続く動きを見せています。
インドの「全長4m未満」は、日本でいうと軽自動車枠のようなもので、軽自動車は日本だけの企画ですが、インドにもまたそれに近い感覚の規格が存在し、そんな事情に合わせた車種を用意しないと販売を伸ばすことができないのです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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