トヨタ・日産が新型SUV投入! スズキ独占のインド市場で売れるSUVに必要なモノとは
近年では、世界有数の自動車市場となったインド。以前からスズキが市場を独占するほど強みを見せていましたが、インドにおける「売れるSUV」とはどのようなものなのでしょうか。
インドでもSUV人気高まるなかで、日本メーカーはどうする?
世界第5位の自動車市場となっているインド。そんなインドではいま、SUVブームが始まろうとしています。
果たして、インドではどんなSUVが人気なのでしょうか。
本題に入る前に、インド市場のおさらいをしておきましょう。新型コロナ禍前となる2019年のインドにおける乗用車の販売台数は約380万台。
同じ年の状況を国別でみると上位から中国(2577万台)、アメリカ(1748万台)、日本(520万台)、ドイツ(402万台)、そしてインドという順番です。
日本人として驚かずにいられないのは、インド市場における乗用車販売シェアのナンバーワンは「スズキ」だということ。
スズキのシェアは50%を超え、2位の韓国メーカー「現代(ヒョンデ/ヒュンダイ)」をはじめ、トヨタ、日産、フォルクスワーゲンなどを大きく引き離しています。
さすがにシェア50%を超えると、2台に1台以上がスズキ車という計算になりますから、街で見るスズキ車の多さにびっくりします。
では、そんなスズキは現地でどんなSUVを売っているのでしょうか。
スズキのナンバー人気SUVというよりも、インドでもっとも売れているSUVとして市場をリードしているのが「ビターラブレッツァ」。
どこかで見たことがあるけれど、見慣れたクルマとはちょっと違う、スタイルを見てそう感じた人も多いかもしれません。
実は、日本でも売っている「エスクード」をベースに全長を縮めたバージョンです。
ホイールベースは2500mmで共通ですが、全長は3995mmとエスクードより180mm短縮されています。
エンジンは1.5リッター自然吸気となり、インドでは動力性能は重視されず、それよりも燃費が良いというイメージのほうが重要です。
もう1台、スズキの主力となっているSUVが「エスプレッソ」。
日本でいう「ハスラー」のような雰囲気を持っているこちらは、全長3565mmとビターラブレッツァよりも一回り小さく、プラットフォームは軽自動車などにも使われている「ハーテクト」です。
ちなみに同社は「ジムニー」をインドで生産していますが、中南米、中東、アフリカなどに向けた輸出専用で2021年現時点ではインド国内では販売していません。
では、ほかの日本メーカーはインドでどんなSUVを売っているのでしょうか。
トヨタのインドにおける主力SUVは、2020年8月にニューモデルとしてデビューした「アーバンクルーザー」。全長3995mmの車体に1.5リッターの自然吸気エンジンを搭載します。
スタイリングを見て、何かに気付く人もいるかもしれません。何を隠そうビターラブレッツァのOEMモデルなのです。
トヨタはスズキと提携し、インドに限らず一部の海外市場では車両を融通しあっています。
インドではスズキが圧倒的に強いこともあり、スズキの車両をトヨタとしてOEM販売しているのです。
また全長4795mmとサイズはかなり大きいですが、東南アジア戦略車として開発されたSUV「フォーチュナー」もラインナップ。
これは「ハイラックス」のメカニズムをベースにしたフレーム構造で、こちらは価格が高いこともあって販売台数は控えめです。
日産は全長4384mmの「キックス」を用意していますが、驚くのは日本をはじめグローバルモデルとは異なるインド専用設計だということ。
Vプラットフォームではなく、ルノー系のプラットフォームを使い、ルノーとの共用部品も多く組み込まれています。
そしてもう1台、インドで主力といえるのは日本でも自動車系のニュースサイトでも話題になった「マグナイト」です。
ダットサンブランドのような顔つきをしたこのSUVは、全長3995mmのコンパクトボディに1リッターターボエンジンを搭載。
2020年12月の発売以来、2021年5月までに1万5000台以上を生産しました。インド向けの日産車では初めて、全長4mを切るSUVというのがポイントです。
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