速攻試乗! 7月に登場したばかりのVW新型「アルテオン・シューティングブレーク」の美点とは

全モデル4モーションで安定した走り

 272馬力と350Nmを発揮する2.0TSIエンジンは、スペックのとおりパワフルで、低速域から力強く、どの回転域からも伸びやかな吹け上がりを披露します。スポーツモードを選択すると低音の効いたサウンドを聞かせるという演出もあります。

VW新型「アルテオン・シューティングブレーク」のリアデザイン
VW新型「アルテオン・シューティングブレーク」のリアデザイン

 走り出してしまえば気にならないのですが、欲をいえば、ゼロ発進や微低速から加速する際に、クラッチがさぐりながらつながる印象が見受けられるのは否めず。

 そのあたりはつい先日、日本に上陸した、48Vマイルドハイブリッドを搭載する新型「ゴルフ」はモーターがうまくアシストしていて好印象だったので、ゆくゆくはアルテオンにも採用されることを期待したく思います。

 DCC(ダイナミック・シャシー・コントロール)を標準装備するフットワークも申し分ありません。スポーティさがウリのモデルらしく、やや引き締まっていて俊敏なハンドリングを味わえながらも、あまり急激に横Gが立ち上がることもなく車両の姿勢が安定しているあたり、フォルクスワーゲンはなにか独自のノウハウを持っているようです。

 DCCはノーマルでもダンピングが効いていて、挙動変化が小さく、段差を乗り越えても振動を瞬時に収束させる味付けです。なお、アルテオンはすべて「4MOTION(4WD)」のみの設定で、それもまた持ち前の優れた操縦安定性に寄与していることに違いありません。

 同一車線内全車速運転支援システム“Travel Assist”をはじめ、最新の機能を備えた運転支援システムも全車に標準装備されます。

 さらには、常時コネクティッドの新世代インフォテイメントシステムとオンラインサービス“We Connect”と合わせることで、渋滞情報等を簡単に入手できるほか、スマホの専用アプリで窓の閉め忘れや駐車位置などの車両情報を確認したり、車両のドアの解錠や施錠を遠隔操作することもできます。

 グレードと価格は「R-Line」が587万9000円で、「R-Line Advance」と写真の「Elegance」がいずれも644万6000円と、VWモデルとしては高めであり、アルテオン自体の認知度ももう一歩という気もするところですが、実車に触れて中身の濃さを知るほどにいろいろ感心させられる、穴場的存在です。

 そこに今回、さらにシューティングブレークという魅力的な選択肢が加わったことを歓迎しようではありませんか。

VW新型「アルテオン・シューティングブレーク」の走り
VW新型「アルテオン・シューティングブレーク」の走り

Volkswagen Arteon Shooting Brake TSI 4MOTION Elegance
VWアルテオン・シューティングブレーク TSI 4モーション エレガンス

・車両価格(消費税込):644万6000円
・全長:4870mm
・全幅:1875mm
・全高:1445mm
・ホイールベース:2835mm
・車両重量:1750kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1984cc
・駆動方式:4WD
・変速機:7速DSG(DCT)
・エンジン最高出力:272ps/5500−6500rpm
・エンジン最大トルク:350Nm/2000-5400rpm
・タイヤサイズ:245/35R20

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