失われつつある魅力的な自然吸気エンジン! 至高のNAエンジン車5選
「天使の咆哮」と評されたエンジンを搭載するスーパーカーとは?
●BMW「M3」
BMWで最高峰の高性能モデルとして君臨するは、Mハイパフォーマンスモデルです。車名は「M」から始まり、この称号こそ最高峰の証といえます。
2021年1月には日本でも最新の「M3セダン/M4クーペ」が発売されましたが、その元祖となる初代M3は1985年に誕生。
初代は直列4気筒エンジンでしたが、2代目と3代目では直列6気筒エンジン(イレギュラーでV型8気筒もあり)、そして2007年に登場した4代目ではシリーズ最後の自然吸気エンジンとなった4リッターV型8気筒DOHCが搭載されました。
4代目M3のエンジンは最高出力420馬力を8300rpmという高回転で発揮。トランスミッションは6速MTと7速DCTが組み合わされます。
吸気系には各気筒が独立した8連スロットルが採用されており、アクセルに対するレスポンスも大排気量自然吸気ならではの良さをさらにブラッシュアップ。
次世代のモデルから3リッター直列6気筒ツインターボにスイッチしたため、この4代目M3は最後の自然吸気モデルとして、今も多くのファンを魅了し続けています。
●レクサス「LFA」
トヨタは2010年にその技術力を誇示するかのように、2シーターのFRスーパーカー、レクサス「LFA」を発売しました。世界限定500台とされ価格は3750万円からと、価格もスーパーです。
ボディはロングノーズ・ショートデッキの古典的なFRスポーツカースタイルを採用しましたが、デザインは最新の空力理論を取り入れたアグレッシブなフォルムを実現。
このロングノーズのなかに収められたエンジンは、最高出力560馬力を8700rpmで発揮する新開発の4.8リッターV型10気筒DOHC自然吸気です。
また、エンジンにはF1で培った技術がフィードバックされ、10気筒が独立したスロットルに、チタン製のコンロッドやチタン製吸排気バルブを採用し、レッドゾーンを9000rpmに設定することで「天使の咆哮」と呼ばれる甲高く澄んだエキゾーストノートを奏でました。
トランスミッションはリアデフと一体となった6速AMTのトランスアクスルが採用され、48:52という理想的な前後重量配分を達成しています。
シャシはカーボン製モノコックで外板もカーボンとアルミを多用し、ブレーキもカーボンセラミックを使用した結果、車重は1480kgと軽量です。
さらに、2012年には「ニュルブルクリンクパッケージ」をオプション設定し、カーボン製の固定式大型リアウイングやカナードなどの空力パーツが追加され、足まわりのさらなる強化と、最高出力571馬力までエンジンがチューンナップされました。
そしてLFAは2012年12月に予定どおり500台目の生産を終え、今では伝説的なモデルとして語り継がれています。
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今回、紹介していないV型12気筒エンジンですが、かつてはフェラーリとランボルギーニがトップモデルにこぞって採用していました。
しかし、フェラーリはV型8気筒ターボエンジンが主流となり、現行モデルでV型12気筒エンジン車は「812」シリーズのみです。
またランボルギーニも「アヴェンタドール」にV型12気筒エンジンを搭載していますが、2021年7月7日に限定モデルの「アヴェンタドール LP780-4 Ultimae」が登場し、これが最後の純粋なV型12気筒自然吸気エンジン車となるとアナウンスされました。
今後、フェラーリは全車ターボエンジンに移行すると目され、ランボルギーニもターボ化とハイブリット化はマストですから、もはやスーパーカーメーカーとして存続していく以上、脱・自然吸気エンジンは避けられないでしょう。
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