超個性的な見た目で我道を行く! おもしろ顔の高額な迷車5選
高額なクルマというと、高級セダンやSUV、超高性能なスポーツカーやスーパーカーが挙げられますが、デザインは意外と保守的といえます。しかし、高額なクルマでありながらユニークな見た目を採用したモデルも存在。そこで、ファニーフェイスの高級モデルを、5車種ピックアップして紹介します。
王道ではない我が道を行くファニーな高級車を振り返る
一般的に高額なクルマとして挙げられるのは、高級セダンや超高性能なスポーツカー、スーパーカーですが、近年はさらに高級SUVと少量生産のハイパーカーが加わりました。
こうしたモデルはデザインについて比較的保守的で、高級セダンならば重厚感や押し出しの強さを重視し、スーパーカーならば精悍さとスピード感あふれるフォルムを採用するモデルが大多数です。
しかし、高額なクルマのなかでも、王道ではない個性的なデザインを採用したモデルも存在。
そこで、我が道を行くファニーなフロントフェイスの高級モデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・ベンツ「Rクラス」
現在、メルセデス・ベンツのラインナップから消えてしまったモデルで、かなり個性的なモデルだったのが2006年に誕生した「Rクラス」です。
Rクラスは3列シートのステーションワゴンタイプのモデルで、ロングホイールベースとショートホイールベースを設定し、日本ではショートホイールベースを展開。日本仕様のボディサイズは全長4930mm×全幅1920mm×全高1660mmと当時のSクラスに匹敵する大柄なボディで、現在の「Bクラス」を巨大にしたようなイメージです。
外観はスタイリッシュなミニバンといったフォルムですが、極端なスラントノーズを採用したフロントフェイスは、かなり個性的なデザインとなっています。
グリルとともに強く傾斜したフロントフェンダーの先端には、涙滴型ヘッドライトを配置。さらにデザイン上のアクセントとなっている三角形のポジションランプがその内側に配置され、どのメルセデス・ベンツのモデルとも異なるフェイスを実現。
トップグレードの「R63 AMG」の価格は1400万円ほどですからかなりの高級車といえますが、そのフロントフェイスは違和感を覚えるほどユニークです。
メルセデス・ベンツもやりすぎたと思ったのか2010年のマイナーチェンジで、フロントセクションを完全に一新。ボンネットの傾斜角も変えるほどの大変更で、大型グリルの採用とシャープな印象のヘッドライト形状とするなど、重厚な雰囲気となりました。
その後、Rクラスは2014年に日本、欧州、北米での販売を終了。中国では2017年まで販売が続けられましたが、一代限りで消滅してしまいました。
●シトロエン「C6」
シトロエンのモデルといえば古くは「アミ」や「DS」「SM」など超個性的なモデルが多く、直近では「C4カクタス」など、まさにシトロエンならではというモデルが、今もファンを魅了しています。
一方で、1990年代から2000年代初頭のモデルは、比較的保守的なデザインのモデルが多かった印象がありました。
しかし、2005年に発売された「C6」は、往年のシトロエン車に負けないほど、かなり斬新なデザインを採用。
シトロエンのフラッグシップセダンとして開発されたC6は、極端にオーバーハングしたフロントノーズに、逆にオーバーハングが短いリアエンドとし、緩やかにカーブを描くクーペスタイルのキャビンと、全体のフォルムが非常にユニークです。
なかでもフロントフェイスは、シトロン伝統の「ダブルシェブロン」をあしらった横長のグリルに、ブーメランのように湾曲したヘッドライトを配置したことで、フラッグシップとは思えないほど個性的な顔を実現。
フロントフェイスの奇抜なデザインや、5m近い全長の大柄かつ特異なシルエットのボディは、まるで陸を走るクジラのようですが、シトロエンならではのデザインを愛するファンには高く評価されていました。
C6は2006年から2010年にかけて日本にも正規輸入され、デザインコンシャスなユーザーに今も愛されています。
その後、C6は2016年にフルモデルチェンジされて2代目が登場しましたが、デザインはスタイリッシュな普通のセダンとなってしまい、かつてのシトロエンらしさは薄れてしまいました。
●ランチア「テージス」
日本におけるランチアのモデルというと、1970年代のスーパーカーブームで脚光を浴びた「ストラトス」や、1990年代に世界ラリー選手権で活躍した「デルタ HFインテグラーレ」などのスポーツカーが広く知られていますが、コンパクトカーやセダン、ステーションワゴンと、さまざまなジャンルのクルマを生産してきたメーカーです。
なかでもユニークなモデルが、2001年に発売された高級セダンの「テージス」で、ランチアのフラッグシップモデルでした。
テージス最大の特徴はフロントフェイスにあり、小ぶりな縦格子のフロントグリルに、変形したひし形のようなヘッドライトを配置。
テージスのデザインはコンセプトカーをほぼそのまま市販化したかたちで、ランチアはクラシカルな高級車を目指したといいますが、パッと見はげっ歯類のような印象です。反対にリアのデザインはシンプルで、前後の意匠に大きなギャップがあります。
テージスはイタリアではプレステージサルーンとして、2009年までフルモデルチェンジすることなく生産され、ローマ教皇が乗る「パパモビル」にも採用されました。
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