マツダ「ロータリー復活計画」どうなる? レンジエクステンダーでの活用に至った背景とは
2021年6月末に突如として、「マツダがロータリーエンジンを用いたレンジエクステンダーの開発を中止する」という報道が出てきました。真相は定かではありませんが、マツダを代表するロータリー技術の復活として期待されています。なぜマツダはロータリーエンジンをレンジエクステンダーに活用しようとしているのでしょうか。
マツダはなぜロータリーエンジンをレンジエクステンダーに活用しようとしていたのか
2018年にマツダは、EV(電気自動車)のレンジエクステンダー用の発電エンジンとしてロータリーエンジンを活用することを技術説明会で示唆していました。
その後もマツダはロータリーエンジンを用いたレンジエクステンダーの開発を続けていることを明かしていましたが、2021年6月末に突如として「ロータリーエンジンを用いたレンジエクステンダーの開発を中止する」という内容が一部で報道されました。
最近、耳にする機会が増えたレンジエクステンダーですが、マツダはなぜロータリーエンジンを活用するに至ったのでしょうか。
冒頭の中止に関する報道が出る半月前の2021年6月17日にマツダは「2030年に向けた新たな技術・商品の開発方針」を発表しています。
そのなかで、専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の廣瀬一郎氏は、今後のロータリーエンジンの活用方法に関して次のように説明しています。
「過去にマツダは、水素ロータリーエンジンの技術の実用化を市場に展開しました。
現在までにさまざまな環境要件で止まっていましたが、昨今の水素活用の動きやインフラ整備が整いつつあるので、過去に実用化した技術のベースを元にモデルの開発やリサーチに活用していきたいと考え、進めていきたいです。
まずは、ロータリーエンジンを活用した電動技術を早く世の中に出して、さまざまな燃料の活用なども視野にいれて展開してきたいと思います」
マツダがロータリーエンジンを初めて市販車に搭載したのは、1967年に登場した「コスモスポーツ」です。
ロータリーエンジンは、ハウジング内でローター(回転子)を回して動力を得る内燃機関で、同じ出力を発揮するレシプロエンジンに比べて70%ほどのサイズに小型化することができ、部品点数も減らせるなど、スポーツカーには有益な特徴を持ちます。
マツダのロータリーエンジンは、前述のコスモスポーツを含め「ファミリア」、「サバンナ」、「カペラ」などあらゆる車に搭載されたほか、マイクロバスや海外向けのピックアップトラックなど大型のクルマにも搭載されました。
しかし、燃費の悪さや排出ガス規制により商品力を喪失、2012年に「RX-8」の生産終了を最後にロータリーエンジン搭載車は市場から姿を消しました。
そうしたなかで、ロータリーエンジンをレンジエクステンダーとして活用する意味とはどのようなものなのでしょうか。
2018年の技術説明会において、マツダの副社長・藤原清志氏は以下のようにコメントしています。
「ロータリーエンジンのメリットは、まずは小型で軽量なことです。コンパクトであり、モータールーム・モーターコンパートメント内のレイアウトが容易であり、スペース効率を高められます。
次に、ロータリーエンジンならではの低振動、低騒音性です。エンジンが作動しても高い静粛性を保つことができ、バッテリーEVならではの静かで快適な移動空間を阻害することがありません」
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今回の中止報道に関する真意は不明ですが、火のないところに煙は立たないという諺があるように、何らかの動きがあった可能性は考えられます。
今後、これまでの宣言通りに製品化されることを期待しつつ、マツダの動向に注目せずにはいられません。
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