クルマのナンバーに「欠番」があった? 3つの数字と5つの文字が使えない理由とは
本当に使えない「文字」があった?
また、自動車の用途を示すひらがなについても欠番があります。
前出の全国自動車標板協議会の担当者は、次のように話しています。
「一般的に『おしへん』と呼ばれていますが、『お』は『あ』と見間違えやすいため、『し』は死を連想させるため、『へ』はおならで……、『ん』は読みにくいためといわれます。こちらも欠番理由は明示されていません」
これら4文字は希望ナンバー制度の対象となる一連指定番号ではないので、使用されることはありません。
そのためか、存在しない架空の番号としてテレビや映画の劇中車やニュースなどで目にすることがあります。
なお、自動車の用途を示すひらがなのうち、レンタカーには「わ」とともに「れ」が使用されています。
これについて、都市伝説として語り継がれるのは、かつてひらがなの取り決めを公示する通達が運輸省からFAXで送信されたものの、当時のFAXはアナログで読み取りが粗く、東京の霞が関から遠い北海道の陸運局では文字がつぶれてしまい、陸運局の職員が「レンタカーだから『れ』ナンバーだろう」と誤った判断をしたのがそのまま採用されてしまったものです。
この話の真相を全国自動車標板協議会の担当者には、次のように説明しています。
「私もその話をうわさ話として聞きます。
真偽のほどは知るべくもありませんが、当時はまだ電算化もされておらず、各陸運支局が紙の帳簿でナンバーを管理していた時代ですから、陸運支局長の裁量も現在より広かったというのは事実のようです」
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希望ナンバー制度や、ナンバープレートの図柄を選ぶことができる制度など、ナンバープレートにもさまざまな選択肢が増えてきました。
その一方で「縁起を担ぐ」というような伝統的な価値観も残っているというところに、数字に対するそれぞれの人の思いが見え隠れしているともいえるでしょう。
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