クルマの「水はね」は泣寝入り? 損害賠償は請求可能? トラブル防止方法とは
クルマの水はね・泥はね行為はドライバーが被害者になることも!?
一方で、道路交通法では、水はね・泥はねが違法行為とされていますが、被害者となるのは歩行者だけでなく、ドライバーも被害者になる可能性もあります。
例えば、急に大雨が降って道路に大きな水たまりができた場合、そこにクルマが減速せずに通過すれば、対向車の視界を塞ぐような水はねを起こしてしまうことがあります。その場合、急に視界が塞がれば事故の原因のひとつになります。
首都高速道路株式会社の東京管区気象台発表のデータ[根岸1]によると、「雨の日は晴れの日の4倍」の割合で事故が起きているといわれています。
とくに雨天時は、スリップしやすくなり交通事故につながるといえます。
また、JAF(日本自動車連盟)ではクルマの速度と水はねの影響について、「深さ1cmの水たまりがある道路で、そこから1段上がった歩道」といった状況で検証をおこなっています。
実際の検証では、クルマが歩行者の脇を通り過ぎるときの間隔を約50cmとし、それぞれ時速10km、20km、40kmの3段階の速度で検証。
時速10kmであれば、歩道に水はねが届きませんでしたが、時速20kmでは、歩道を歩く歩行者の足元まで水がはねていきました。
さらに、時速40kmキロでは、歩行者(身長約150センチ)の肩の高さまで水が飛び、クルマの横側に2mも水はねが飛びました。この検証からも水たまりでの徐行運転の大切さがうかがえます。
このように雨の日は、晴れの日よりも注意して運転をしなければならないのは大前提ですが、通常よりも前のクルマとの車間距離を大きく開け、徐行するように走行することが大切といえるでしょう。

また、水はねの発生要因について、前出のJAFの担当者は次のように話しています。
「水はねは雨量や天候によって異なり、雨量が多ければ、路面上のくぼみに水が溜まりやすくなり、車が水たまりの上を通過すれば水はねを引き起こしてしまいます。
たとえ路面にくぼみなどがなくても路面上に水の層ができ、その層が原因で水はねを起こす可能性が考えられます。
また、雨が上がった後でも曇天の場合、路面の水は蒸発しづらい状況になります。
とくにくぼみに溜まった水は蒸発せずにしばらく残ることが多いため、雨上がりでも水たまりには注意が必要です。
一方の晴天時でも近くに歩行者などがいて、水はねを発生させる可能性があるときは、速度を落として走行する必要があります。
冬季の融雪時も水たまりやぬかるみが発生しやすいので注意することが大切です」
※ ※ ※
歩行者は、歩行中にクルマのドライバーに水はねをされても、その場で解決できなければ、後になって違法行為を問うことは難しいといえそうです。
一方で、雨天時の走行は、ドライバーも事故につながる可能性あります。ドライバーは徐行などをして、お互いが気をつける意識をもつことが大事でしょう。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。












