【MotoGP第6戦イタリアGP】世界戦に挑む中上選手 後方から8番手まで浮上するも痛恨の転倒!!
MotoGP第6戦イタリアGPの決勝レースが、2021年5月30日にムジェロ・サーキットで行なわれました。日本人ライダーとして唯一MotoGPクラスに参戦する中上貴晶選手(ホンダ)は、転倒リタイアでレースを終えました。
結果は転倒リタイアながら、後方5列目から8番手まで好ペースだった
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イタリアGPは、2020年シーズンには新型コロナウイルス感染症の影響で行なわれなかったため、2年ぶりの開催となりました。ムジェロ・サーキットは1km以上にわたる長いメインストレートと、中・低速コーナーを組み合わせたレイアウトのサーキット。中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)が得意とするサーキットでもあります。
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しかし、イタリアGPの決勝日は悲しいニュースがMotoGPのパドックを覆いました。前日の土曜日に行なわれた予選中の転倒が原因で、Moto3クラスのライダーであるジェイソン・デュパスキエ選手が亡くなったのです。19歳のスイス人ライダーでした。MotoGPクラスの決勝レース前には、コース上にライダーや関係者が並び、デュパスキエ選手の死を悼み1分間の黙とうが捧げられました。
そんな中、決勝レースは23周で行なわれました。中上選手は5列目15番グリッドからのスタートです。セクター2と呼ばれるコース前半の低速コーナーが続くエリアで苦戦しており、その改善のために土曜日の練習走行から、ある変更を行なおうとしていました。タイヤの持ちやフロントエンド(ここではフロントタイヤの端の部分、エッジグリップの意)のリスクを減らすために「ほんの少し違う、ファクトリーチームのライダーのようなライディングスタイルにしてみた」と、土曜日のあとに行なわれた取材の中で明かしていたのです。
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中上選手は1周目で12番手にポジションを上げ、その後8周目には9番手に浮上しました。その約3秒前を走るのは、アプリリアのマシンを駆るアレイシ・エスパルガロ選手。中上選手は少しずつ、その差を詰めていきました。
MotoGPクラスは非常にわずかな差で争われ、また、少なくとも今季、中上選手が駆るホンダ「RC213V」は好調なマシンとは言えません。こうした中で15番グリッドからのスタートながら、粘り強く8番手のライダーを追いかけていました。
しかし残り4周の14コーナーで中上選手は転倒を喫し、ここでレースを終えました。
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決勝レース後、中上選手が所属するLCRホンダ・イデミツを含めたホンダのチームは、逝去したデュパスキエ選手に敬意を表して囲み取材を行なわなかったため、motogp.comのインタビュー動画より、中上選手のコメントを引用しましょう。
「15番手スタートで、きついレースでした。でも、最後まで全力を尽くしました。トップグループに追い付こうと、最後までプッシュし続けていました。でも、わずかにミスをしました。少しイン側に入りすぎたんです。そしてフロントタイヤを切れ込ませてしまいました」
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転倒という結果ではありましたが、中上選手は「いい気持ちではありませんが、15番手から8番手まで追い上げたのは良かったと思います。それに、トップグループと近いペースで走っていましたからね」と、レースについては前向きな内容だったようです。
次戦のMotoGPは、第7戦カタルニアGPがスペインのバルセロナ・カタルニア・サーキットで6月6日に決勝レースが行なわれます。
提供:バイクのニュース
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