フェラーリ「ポルトフィーノM」を横浜で試乗! 歴代モデルとの大きな違いとは
フェラーリの2+2GTスパイダー「ポルトフィーノ」の改良版「ポルトフィーノM」に、スーパーカー大王の山崎元裕氏が試乗。横浜・みなとみらいエリアでのファーストインプレッションをお届けしよう。
「M」は「モータースポーツ」ではなく「モディファイ」の意味
イタリア語では「モディフィカータ」、英語では「モディファイ」を意味する「M」の称号が、新たに車名に付されたフェラーリに試乗するといつもその進化の度合いに驚かされる。
なぜなら、時には別物のモデルのように、これまでには感じなかったさまざまな魅力を伝えてくれるからである。
2020年に誕生した2+2GTスパイダー「ポルトフィーノ」の改良版、「ポルトフィーノM」も、その例外ではない。
とりわけこの2+2GTスパイダーのシリーズは、2008年に登場した「カリフォルニア」、2012年の「カリフォルニア30」、そのモディフィカータ版たる「カリフォルニアT」、2017年のポルトフィーノ、そし2020年のポルトフィーノMと、基本的なボディスタイルを変化させることなく、比較的頻繁にモデルチェンジを繰り返したこともあって、ひょっとしたらカリフォルニアから4度目のM=モディフィカータと感じているカスタマーも多いことだろう。
まずは今回試乗した、最新のポルトフィーノMの特徴を解説しておこう。2017年に発表されたポルトフィーノは、そのスタイルこそカリフォルニアを継承してはいたものの、シャシを完全に新設計したほか、ボディパネルもすべてが再設計されていた。
それによって軽量化とともに高剛性を実現したわけだが、今回のポルトフィーノMでは、エクステリアでの変更点は非常に限られたものになっている。
実際にはフロントグリルのデザインが変更され、その内側にコンパクトなフラップが追加されたことや、ホイールアーチの前方にエアベントが設けられたことなどが、わずかな変更点の例だ。
一方メカニズムは、Mの称号に恥じない魅力的な進化を果たしている。
フロントミッドシップされる3.9リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、従来型からさらに20psが強化され620psにパワーアップした。これは新たなカムプロファイルによってバルブリフト量を増大させ、燃焼室の充填効率を最適化したほか、ターボの最高回転数を向上させるなどの策によって得られたエクストラだ。
これに組み合わされるギアボックスも、これまでの7速DCTから8速DCTへと変化した。0−100km/h加速は3.45秒、最高速は320km/h以上というから、その運動性能は優雅なエクステリアデザインからは想像もできないほどに刺激的で、そして世界の第一線に並ぶものといえる。
ステアリング上のドライブモード選択スイッチ、マネッティーノに、新たに「レース」モードが追加されたのも、カスタマーには興味津々といったところだろう。
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