実際に、アド・トラックはどのような体制やスケジュールで走っているのでしょうか。

　東京都から委託を受けてアド・トラックを走らせている都内の専門業者は次のように話しています。

――コロナ関連のアド・トラックはいつから走っていますか？

　今、走っている「変異株拡大中！」のアド・トラックで3回目になります。

　第1回が2021年4月17日から23日。1週間でまず様子を見ようということでした。

　第2回が同年4月24日から5月11日。GW中の外出自粛を促すことが目的でした。

　そして緊急事態宣言の延長による第3回は、同年5月12日から31日までを予定しています。

　ちなみに1回目から3回目まではベースはほぼ同じデザインですが、第3回は変異株への注意喚起を促すもので、盤面のデザインや広告面のサイズも少し違っています。

――20台の変異株トラックに地方ナンバーが多い理由は？

　4トントラックなど大きいトラックは地方ナンバーが多いです。

　これには、東京都の屋外広告条例が関係しています。都の規制を受けず、自由に走るため地方に本拠地を置く業者が多いです。加えて、大型トラックの駐車場を複数台分確保するのも都内では難しいでしょう。

――どのような体制で走っているのですか？

　全部で20台のトラックが地区別に振り分けられています。

　時間帯は昼の12時半から夜8時半まで。基本的に同じトラックが同じコースを走ります。

　どのようなコースにするかは東京都総務局との事前の打ち合わせで都内をまんべんなく回れるように組んでいます。

　週末に人が増える場所では台数やコースを変えることもあります。歌舞伎町で重点的に自粛を呼びかけた際には、狭い道路を走れるよう大型トラックではなくバンタイプの広告宣伝車を走らせました。

　また、渋谷だけは特例で当初は4台でしたが、2週間前からは4トン車を5台に増やして「ハチ公」を中心としたコースを組んでいます。

――アド・トラックを走らせるのはどのような許可が必要ですか？

　屋外広告条例によってトラックの広告表示面が一定の平米数を超える場合は事前に走行するコースやどのナンバーのトラックがどこを走るなどの情報を提出して、道路使用許可を警察に申請します。

　走行する場合でも、広告名を付けたものには道路使用許可が必要となります。

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　なお、現在都内を走っている「変異株拡大中！」のアド・トラックは、東京都の緊急事態宣言の期間となる2021年5月31日まで巡回の予定です。

　しかし、政府は5月23日から緊急事態宣言の対象となった沖縄県以外の東京都を含めた10都道府県の期間を延長する調整に入ったことを5月24日に新聞各紙が報じています。

　そのため、「変異株拡大中！」のアド・トラックは4回目となる都内走行の可能性も出ています。