軽に乗るのは安いからだけじゃない! 積極的に選びたいイケてる軽自動車5選

みんなに優しい軽 vs スポーツ性能を高めた軽

●ダイハツ「ミラトコット」

 ダイハツ「ミラトコット」は若年女性エントリーユーザーをターゲットにしたベーシックな軽自動車です。

 デビューは2018年6月で、流行のトールワゴンやスーパーハイトワゴンではなく、オーソドックスな5ドアハッチバックスタイルを採用。「エフォートレス(肩ひじを張らず自然体でいられること)」を開発コンセプトに、価格やサイズ感、運転のしやすさなどを追求しました。

ダイハツ「ミラトコット」
ダイハツ「ミラトコット」

 ターゲットに近い女性社員で構成されたプロジェクトチームが企画・開発に参画することで、現代の若い女性が求めるクルマについての価値観をアップデート。

「かわいらしい」を全面的にアピールする従来の「女子らしさ」とは打って変わり、内外装ともにシンプルで愛着のわくデザインでまとめられています。

 ミラトコットは誰でもやさしく乗れることを目指したクルマゆえ、尖ったところがないのが特徴です。パワートレーンは52馬力を発生する660cc直列3気筒DOHC自然吸気エンジンとCVTの組み合わせのみとなっています。

 同社の「ミライース」ほどの燃費性能を追求しておらず、ミラトコットでは街中でのスムーズな加速が重視されました。

 もちろん、燃費性能を追求していないといってもミライースほどではないだけで、ミラトコットもJC08モードで29.8km/L(4WDは27.0km/L)と優秀な燃費性能を誇ります。

 ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1530mm(4WDは1540mm)。居住スペースはトールワゴンほどの余裕はありませんが、必要十分にして使い切れる広さを確保しました。

 このように突出した性能より乗りやすさや扱いやすさを重んじたクルマは、後から登場したクルマに性能で上回られても、初めから争っていないため陳腐化することがありません。

 直線基調でシンプルなスタイリングは飽きのこない道具感があり、長く付き合える相棒のような感覚がミラトコットの魅力で、指名買いされる理由なのでしょう。

 また、先進安全装備の「スマートアシストIII」を設定し、軽自動車として初めてSRSサイドエアバッグ&SRSカーテンシールドエアバッグを全車標準装備するなど、安全の面では軽自動車の最先端レベルにあります。

●スズキ「アルトワークス」

 税制に有利な軽商用車として誕生したボンネットバンのスズキ初代「アルト」。その2代目をベースに、途中で追加されたスポーツモデルが「アルトワークス」です。

 初代アルトワークスの登場は1987年のことで、搭載される直列3気筒DOHC12バルブのインタークーラーターボは543ccの排気量から最高出力64馬力を発揮。そのハイパワーぶりが最高出力規制(現在の自主規制)のきっかけになったといわれています。

 小粒ながらパワフルで運転を楽しめるクルマとして若者を中心に人気を博し、アルトのモデルチェンジあわせてアルトワークスも4代目まで進化しました。

 しかし、2000年12月をもって消滅。アルトワークスの歴史は4代目で終焉を迎えたと考えられていました。

 それから15年後の2015年12月に、満を持して登場した現行型が待望の5代目モデルです。ベースは8代目アルトで、パワートレーンをはじめボディや内外装など、いたるところに走行性能を高めるための改良が施されています。

 搭載されるエンジンは「アルト ターボRS」譲りの660ccの直列3気筒DOHCインタークーラーターボで型式も同じ「RA06」ですが、アルトワークスでは冷却水温制御温度を下げることで最大トルクが0.2kg-m向上。最高出力は自主規制いっぱいの64馬力と同じでも加速感が違います。

 またトランスミッションは専用設計の5速MTを基本に、4WD仕様には5速AGSも用意。サスペンションに専用設計のKYB製ダンパーを採用し、内装ではレカロ製シートを装備するなど、随所にアルトワークスだけのオリジナルパーツが奢られました。

 最大の特徴は軽いことで、2WD仕様ではなんと車重は670kgという軽量ボディを実現。300馬力を超えるようなハイパワースポーツとはまた違ったスポーティさがあり、ドライバーを楽しませてくれます。

※ ※ ※

 軽自動車が経済的といっても、ホンダ「フィット」などのコンパクトカーと比較して年額での維持費の差は3万円ちょっとの違いで、ひと月あたりで換算すると3000円前後と、想像以上に差額は小さいのです。

 経済的だからといって選ぶと「たったそれだけしか違わないの?」となりますが、欲しいクルマを選んだら、それがたまたま軽自動車だったという場合は、「維持費が安くてラッキー」とも考えられます。

 ほかにも魅力的な軽自動車はたくさんあるので、積極的な気持ちで軽自動車を選びたいものです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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