【深読み】ロータスの近未来で気になる3つのポイント 日産や三菱との協業の可能性は?
クルマ業界に関連するオフィシャルのリリース/カンファレンスなどから、アナウンスの裏側や注目すべきポイントを炙り出す【深読み】企画。今回は、ロータスが2021年4月27日におこなったビデオ・カンファレンスで明らかになったファクトから、ロータスの未来で注目すべき3つのポイントを解説する。
2021年、ロータスは本気だ
いやはや、ロータスを侮っていた。
2021年4月27日の夜8時。彼らの最後の内燃エンジン搭載車となるタイプ・ナンバー131こと「エミーラ」と、新たなプラットフォーム戦略などを紹介するビデオ・カンファレンスを見て、あっけにとられた。いや、これまでをよく知っていたからこそ、見誤ったのかもしれない。
ビデオ・カンファレンスの3か月前、ロータスは現行モデルの生産をすべて終えると発表。同時に黄色い「エヴァイヤ」と並ぶ3台のクルマの画像と、「タイプ131」という名称を公開した。
僕はこの時、まだ緑色のヴェールを被っている3台すべてがタイプ131のバリエーションだと思い込んでしまった。「エリーゼ」と「エキシージ」、そして「エヴォーラ」の関係のように、小型軽量の内燃エンジンを載せたオープン・スポーツカーと、その高出力版のサーキット特化型のクーペと、ハイブリッドの2+2クーペ……のようなバリエーションを、ひとつのプラットフォームからつくると思ったのだ。少ないリソースを有効活用する。それがこれまでのロータスだったからだ。
なにせ過去を振り返ってみれば、ロータスがこれほど複数のモデルを一気に公開し、生産までこぎ着けたことはない。フル電動のハイパーカー、エヴァイヤは別格として、内燃エンジン車に限ってみれば、完全にプラットフォームまで新しいモデルなんて、エミーラの前は13年前のエヴォーラまで遡らなければならないし、さらにその前はなんと26年前のエリーゼなのである。その間に登場したエキシージも「ヨーロッパS」も、「340R」も「2イレブン」も「3イレブン」も、極端なことをいえば、エリーゼの派生でしかない。
1度だけ、ロータスが6台ものニューモデルを一気に公開したことはある。もはや彼らにとっては黒歴史となっているであろう、フェラーリからやってきたダニー・バハールとドナート・ココのコンビが登壇した2010年のパリ・サロンである。
そういえば、あの時もモニターにかぶりついてネット中継されるカンファレンスを見ていた。まったく新しいエリーゼ、「エラン」、「エリート」、「エスプリ」。そして「エテルナ」と「シティ・カー」……次々と発表されるどのモデルも、どこかフェラーリにもランボルギーニにも似ていてピンとこない。あぁ、ロータスは何処へいくのだろうと、心がすーっと冷めていったことを、今もはっきり憶えている。
だから、まさか写真の3台がそれぞれ異なるプラットフォームのニューモデルだなんて思ってもみなかった。いやはやロータスがそこまで時間とお金を費やし、用意周到に準備を進めていたとは……。
●ロータスの新たなプラットフォームは4つ
冷静になって振り返ってみれば、ロータスの歴代ロードカーのタイプ・ナンバーは、複数のモデルをまとめてひとつとしてきたことなど、ない。むしろ、エンジンの変更やマイナーチェンジくらいでも、細かくタイプ・ナンバーを刻んできたくらいだ。エヴァイヤに続くエミーラという名前も、伝統は受け継ぐが、これまでのように単純に名前を継承して過去を振り返ったりはしない、という彼らの決意表明なのだろう。
エヴァイヤを含めると計4つとなるロータスの新しいプラットフォームは、以下のとおりだ。
1:ハイパーカー・アーキテクチャー(タイプ130/エヴァイヤ・EV)
2:スポーツカー・アーキテクチャー(タイプ131/エミーラ・内燃エンジン車)
3:エレクトリック・スポーツカー・アーキテクチャー(タイプ名未定/アルピーヌ共同開発・EV)
4:エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャー(タイプ名未定/ライススタイルカー・EV)
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