ご当地ナンバーに賛否!? 品川から世田谷に拒否感も 地域性あるナンバープレートの実情とは
クルマのナンバープレートは、購入時に登録・届出する場合にその地域によって異なる「地域名」が付与されます。近年では、「ご当地ナンバー」として陸運局がない地域の名称も増えています。では、ご当地ナンバーに対してユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。
地域のPRを目的に導入されるご当地ナンバーとは
日本には、全国で高い知名度を誇る地域名を表記した「地域名表示ナンバー(ご当地ナンバー)」や地域独自の図柄が描かれた「地方版図柄入りナンバープレート(図柄ナンバー)」が存在します。
では、実施のユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。

ご当地ナンバーとは、国土交通省が2006年から開始している取り組みで、当初は「つくば」や「鈴鹿」、「豊田」など18地域が導入されました。
最近では、2020年5月11日に「知床」や「松戸」、「伊勢志摩」などの17地域が新たに追加されていおり、現在では116地域のご当地ナンバーが存在します。
ご当地ナンバーの導入背景には、「自治体のPRとしての活用」や、地域毎による「運転マナーの向上運動」「アイドリングストップ運動」「低公害車の普及促進」などが挙げられます。
なお、ご当地ナンバーは、車庫証明の「使用の本拠の位置」に記載されている地域によって決まっています。
今回、くるまのニュースではご当地ナンバーに関するアンケートを実施しました。
最初に「ご当地ナンバーが増えていますが、逆に元の地名が良かったと思うことがありますか?」という質問では、「ある(16%)」、「ない(84%)」と多くの回答者が新しい地域名に納得しているようです。
そのなかで、「ある」を選んだ人では、どのような部分が納得できていないのでしょうか。
回答では「品川→世田谷」というケースが多く挙げられています。
この背景には、品川ナンバーはさまざまな団体やメディアが実施するご当地ナンバー人気ランキングなどで上位に入るほど人気です。
世田谷区も元々は品川ナンバーが付与される地域でしたが、2014年から世田谷ナンバーが制定されたことで、それ以降にナンバープレートを取得(登録・届出)する場合には世田谷ナンバーとなります。
しかし、全国的に人気のある品川ナンバーから世田谷ナンバーに変えた区内の人は一定数いるといいます。
世田谷区内にある国産系販売店のスタッフは次のように話しています。
「クルマを乗り換えられる際のポイントとして、ナンバープレートの地域名は重要な要素です。
とくに年配者のなかにはずっと品川ナンバーだったことを気に入っている人も多く、世田谷ナンバーになるのが嫌だから乗り換えないというケースもあります。
また、地方に出かけた際に世田谷から来たとすぐに分かるのは嫌というケースもあるようです」
同じく世田谷区内の輸入車販売店のスタッフは次のように話しています。
「やはり、人気のナンバーということもあり、品川ナンバーのブランド力は大きいです。お客さまのなかには『品川ナンバーだから価値がある』という人もいらっしゃいました」
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また、別の地域の回答者も「足立から葛飾。元の地名が良かった理由は、葛飾にされると細かく地名が特定され旅行に行きづらいから」という、プライバシーの観点から自分の住んでいる地域がすぐに判明する部分を懸念している声も見受けられます。
そのため、元の地域名とご当地名を選択できる制度があっても良いのではないかという意見も出ています。
ご当地ナンバーが導入された経緯や選択性について、国土交通省の担当者は次のように説明しています。
「ご当地ナンバーは、住民のアンケート調査などを集約して市区町村が都道府県に要望書を提出。
その後、国土交通省の『ご当地ナンバー審査会』などで検討されて、導入されています。
また、地域名の選択性については、元々の導入経緯として地域振興や観光振興などの観点が挙げられますので、同じ地域名を付けなければご当地ナンバーの意味がなくなってしまい難しいといえます」
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さまざまな意見があるご当地ナンバーですが、大半のユーザーは新たな地域名に賛同しています。
前出の国土交通省の担当者は「今後、徐々にご当地ナンバーが普及することで、定着すれば否定的な意見は少なくなるのではないか」と話すように、普及する過程での賛否といえるのかもしれません。




























