日本からスポーツモデルが激減!? 走りの楽しいクルマ「少数派」状態はいつまで続くのか
今後どんなスポーツモデルが国産メーカーから登場する?
マツダもスポーツカーはロードスターだけですが、今はOEMを除くと背の高いスライドドアを備えたモデルなどは用意されず、見方を変えると「すべてのマツダ車がスポーティカー」でもあります。
また、コンパクトカーのマツダ2からSUVのCX-5まで、ドライバーが車両と一体になれる運転の楽しさを追求しています。
そしてマツダは、直列6気筒エンジンと後輪駆動のプラットフォームを開発中であることを明らかにしました。
このふたつの組み合わせがスポーツモデルの構成要素とは限りませんが、前後輪に加わる荷重バランスが優れ、操舵は前輪、駆動は後輪と役割を分担できます。
走行安定性が向上して、なおかつステアリングの操舵感覚がアクセル操作によって影響されにくくなるため、走りを総合的に高められます。その代わりに空間効率では不利です。
直列6気筒エンジンの後輪駆動車は、次期マツダ6(旧アテンザ)で実現され、上質でスポーティなクルマになるでしょう。
そのうえで、かつてのマツダスピード(メルセデス・ベンツでいえばAMGのような存在ともいえます)のブランドで用意されたようなスポーツモデルが選べたら楽しいです。
販売店では「マツダ6の発売時期は分かりませんが、メーカーがすでに決算会見で発表したので、お客さまからの問い合わせが増えています」と述べました。期待しているユーザーも多いようです。
三菱は目下のところブランドの再構築をおこなっています。三菱は1982年に発売したSUVの「パジェロ」で注目され、この後も進化を重ねて4WDや4輪制御技術が得意です。「アイミーブ」や「アウトランダーPHEV」により、電動化技術も優れています。
そしてモーターは駆動力を素早く増減できるので、綿密な4輪制御をおこなううえでも有利です。そこで今の三菱は、4WD+4輪制御技術を備えたモーター駆動(ハイブリッドも含む)のSUVに力を入れています。
マツダや三菱の取り組みが成功すると、従来のスポーツモデルのカテゴリに入らなくても、走行安定性が高く運転の楽しいクルマが誕生します。
最新の技術を使って、同時にどれだけユーザーを楽しませるか。そこが重要な時代になりました。
その一方で昭和世代のクルマ好きとしては、シルビアやカローラレビン・スプリンタートレノのような5ナンバーサイズのスポーツカーも復活してほしいです。
そのためかスイフトスポーツは、妙に気持ちに刺さります。スイフトスポーツは2020年に約1万2000台、1か月平均でも約1000台が登録され、スイフト全体の42%を占めています。共感を得ているユーザーも多いようです。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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