三菱の頼みの綱は「デリカD:5」のみ!? SUVが軒並み不調に陥る意外な理由とは

ミニバンとSUVの特徴を掛け合わせた三菱「デリカD:5」は、いまでは三菱を支える最量販モデルとなっています。その一方で三菱のSUV各車は販売が振るいません。一体なぜなのでしょうか。

トヨタだったら「アルファード」並み!? 売上好調な「デリカD:5」

 一般的にクルマの売れ行きは時間が経過するに従って下がりますが、そうならない車種もあります。その代表が三菱「デリカD:5」です。

 現行型の発売は2007年1月なので、すでに14年を経過しますが、三菱の小型/普通車(軽自動車を除く)ではもっとも多く販売されています。

個性際立つ三菱の最量販車「デリカD:5」
個性際立つ三菱の最量販車「デリカD:5」

 直近の2020年度(2020年4月から2021年3月)の登録台数は1万2960台で、1か月平均では1080台でした。2020年度はコロナ禍の影響もあって22%減少しましたが、2019年度は1万6553台(1か月当たり1379台)を登録して、長寿モデルながら堅調に売れています。

 そして三菱の国内販売店舗数は約600か所あり、2019年度は1店舗で1か月当たり2.3台のデリカD:5が売られました。

 トヨタの国内販売店舗数は約4600か所ですから、デリカD:5の販売規模をトヨタに置き換えると、1か月に1万台以上です。つまりデリカD:5は、三菱にとってトヨタ「アルファード」のような存在だといえます。

 デリカD:5は2019年2月に規模の大きなマイナーチェンジを実施して、フロントマスクなどの外観やインパネの形状、2.2リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボの動力性能と燃費、走行安定性、乗り心地などを幅広く向上させました。

 さらに衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能も採用され、選ぶ価値を大幅に高めています。この改善もあり、いまでも堅調な売れ行きを維持しています。

 またデリカD:5には、ほかのミニバンでは得られない特徴も多いです。まず外観はミニバンスタイルのSUVという印象で野性味を強めました。

 最低地上高は185mmに達するので、悪路のデコボコも乗り越えやすく、4WDには多板クラッチの締結力を強めるロックモードが備わり、悪路走破力もSUV並み。ミニバンではもっとも優れています。

 エンジンは前述のクリーンディーゼルターボです。ミニバンのディーゼルは、デリカD:5以外ではトヨタ「グランエース」のみ。デリカD:5は、ハイブリッドを用意しない代わりにディーゼルを搭載することで、SUV風の特徴を際立たせました。

 そしてデリカD:5は、ミニバンにとって大切な居住性にも優れています。3列目シートの足元空間は、全長が4800mm以下のミニバンではもっとも広いです。多人数で乗車して長距離を移動するときも快適です。

 これらの相乗効果で、デリカD:5には何台も乗り継ぐ根強いファンが存在しています。

 三菱の販売店スタッフは、「デリカD:5は、SUVとミニバンの魅力を両方とも備えるので、中古車市場でも人気が高いです。そのために購入して数年後に売却するときも、高い金額で下取りされます。好条件で手放せるため、前期型のデリカD:5を下取りに出して後期型に乗り替えるお客さまも多いです」といいます。

 デリカD:5を好条件で売却できることは、残価設定ローンの残価率(新車価格に占める残価の割合)を見ても分かります。一般的にミニバンの3年後の残価率は43%から48%ですが、デリカD:5は55%です。中古車として高値で売却できるため残価率も高いのです。

 そして残価設定ローンを利用するときは、残価率が高ければ月々の返済額を抑えられます。販売促進の効果が強まり、実際販売店では「残価設定ローンを使ってデリカD:5を購入するお客さまも多いです」といいます。

【画像】好調なデリカD:5と不調なSUV 明暗分かれた三菱車(43枚)

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5件のコメント

  1. ダイナミックシールドとやらのシェーバーみにヒく。
    パジェロの復活はよ。

    • エクリプスクロスPHEVのニューモデルの評価が高いのでご確認下さい。

  2. PHEV乗りだが、唯一無二の価値を認めて初めて三菱車を購入して満足している。
    5年前ワンボックスカーからの乗り換えで
    ・広い室内、広い視界
    ・荷室がフラットになって車中泊も無理なく出来る
    ・全天候性能のAWD ナンチャッテAWDじゃなくLOCK MODE装備が必須。
    ・プラグインハイブリッド
    ・高い安全性能
    ・そこそこの燃費性能
    候補はベンツC220Dワゴン。 アテンザディーゼルワゴンAWD。レボーグ。アウトランダーPHEVだったが、SUVの高くて広い視界と、常時EVと同様のモーター駆動での走行安定性能、全天候性能と高速巡航性能は、これしか無いと決定。
    乗り換え時期だが、これを超える車は未だ出てこない。
    記者は、三菱のPHEV SUVの本当の真価が理解出来ていないようだ。
    国内の販売は低いが、メーカーは能力限界まで生産してほとんどが海外需要で消化。国内に回す余裕がないのを承知しているのだろうか。

  3. 勿論、個人的な意見ですが、SUVに後部のスラントウィンドウ面など積載量減でいらない。その意味で3列シート収納方法を見直すべき、ランサーワゴン4WDから「デリカ新型、戦車みたいなの作りますよ」というディーラーの言葉を信じて待って16年。廃車まで乗って今RB4。内装のセンスも含めて支持者が何を三菱に求めているか思い出してほしい。D5、戦車でなくて良いから、もう少しデカい冷蔵庫になってほしい。

  4. デリカは全く魅力的に映らないなぁ。
    車の大きさの割に室内は狭いし、オフロード性能はなんちゃって四駆程度だし。
    トヨタ車と違って車の試験の程度が低いから、各種部品の信頼性は落ちるし。
    狭いから車中泊もやりにくいし。
    オフロードっぽいというイメージ戦略に騙されやすい消費者がターゲットになっているだけのような気がする。

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