まさに最強タッグ! 名門メーカーとのコラボで誕生した車5選

各自動車メーカーとも、すべての開発業務を自社だけでおこなっているわけではありません。一部の開発をエンジニアリング会社に委託することは珍しくなく、時にはメーカーの垣根を越えて協業することもあります。そこで、名門メーカーとのコラボによって誕生したクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

名門メーカー監修による最強タッグから生まれたクルマを振り返る

 新型車の開発や改良をおこなう際に、各メーカーともすべてを自社でおこなっているわけではありません。得意な分野があるエンジニアリング会社に開発を委託したり、共同開発することで高効率化を可能になるためです。

名門メーカーとコラボしてつくられたクルマたち
名門メーカーとコラボしてつくられたクルマたち

 また、時にはメーカーの垣根を越えて開発を委託することも珍しくありません。古くはトヨタがエンジン開発をヤマハに依頼していたり、近年ではホンダ「NSX」のエンジンはイギリスのコスワースが開発しました。

 さらに、特定のメーカーとの協業によって開発された高性能車も存在。そこで、名門メーカーとのコラボによって誕生したクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「Nissan GT-R50 by Italdesign」

1億円オーバーで販売されたスーパーマシン「Nissan GT-R50 by Italdesign」
1億円オーバーで販売されたスーパーマシン「Nissan GT-R50 by Italdesign」

 1969年に日産初代「スカイラインGT-R」(通称ハコスカ)が誕生し、いまに続くGT-Rブランドはすでに50年以上もの歴史があります。

 そこで、2019年にGT-R生誕50周年を記念するモデルとして、イタリアの名門デザイン工房(カロッツェリア)であるイタルデザインとのコラボによる「Nissan GT-R50 by Italdesign」が発表されました。なおイタルデザインも2018年に創立50周年ということも、コラボに至った経緯です。

 ベースとなるのはGT-Rのなかでも最強モデル「GT-R NISMO」で、シャシとエンジンをイタルデザインへ運び、内外装のアッセンブリーがおこなわれて世界中に出荷されることになります。

 エンジンはニスモにより手作業で組み立てられた専用仕様で、大幅にチューンナップされた結果、最高出力720馬力、最大トルク780Nmを誇るといいます。

 外装パーツは大規模にモディファイされており、GT-Rのシルエットは残っているもののキャビンが低く作り変えられ、リアセクションはハッチバックとなるなど、もはやノーマルの面影はありません。

 内装の意匠は大きく変更されませんが、ユーザーの好みに合わせた素材やカラーコーディネートが選択可能です。

 限定台数は50台で、価格は日本円で約1億2000万円から。デリバリーは2021年半ばから開始されます。

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●いすゞ「ピアッツァ ハンドリングバイロータス」

コラボがイメージアップにもつながった「ピアッツァ ハンドリングバイロータス」
コラボがイメージアップにもつながった「ピアッツァ ハンドリングバイロータス」

 現在、いすゞは日本で乗用車の販売から撤退していますが、これまで数多くの名車を世に送り出してきました。

 そのなかの1台が、高級スペシャリティカー「117クーペ」の後継車として、1981年に誕生した初代「ピアッツァ」です。

 外観は117クーペに続いて巨匠ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインで、セミリトラクタブルヘッドライトや全体的に丸みを帯びたスタイリッシュなフォルムが特徴の3ドアハッチバッククーペに仕立てられました。

 エンジンは当初から2リッター直列4気筒DOHCが設定されるなど、いすゞのフラッグシップにふさわしい走りを実現。

 そして、1985年にはドイツのチューナーであるイルムシャーが監修した「ピアッツァ イルムシャー」を発売してヒットを記録。

 さらに次の一手として、当時いすゞと同様にGMの傘下だったロータスの手によって足まわりのチューニングをおこなった「ピアッツア ハンドリングバイロータス」を発売すると、こちらもヒット作になりました。

 MOMO製ステアリングやBBS製ホイールなど、当時は憧れだった海外ブランドのパーツが装着されるなど、内外装も専用にコーディネートされています。

 この、ロータスとのコラボは「ジェミニ」やSUVの「ビッグホーン」でも実施され、先のイルムシャーとのコラボも「アスカ」とジェミニもおこなうなど、どのモデルも高い人気を誇り、いすゞのイメージアップに多大な貢献を果たしました。

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●シボレー「コルベット ZR-1」

シリーズで唯一無二のDOHCエンジンを搭載した「コルベット ZR-1」
シリーズで唯一無二のDOHCエンジンを搭載した「コルベット ZR-1」

 前出のいすゞとロータスの関係と同じく、GMのブランドであるシボレーもロータスとタッグを組んで開発したモデルがあり、それが4代目「コルベット」の最強グレードである「コルベット ZR-1」です。

 コルベット ZR-1は1989年に発売され、オールアルミ化された「LT5型」エンジンを搭載。この5.7リッターV型8気筒DOHCエンジンはロータスが開発し、最高出力375馬力を誇りました。

 トランスミッションは6速MTのみとされ、最高速度は289.5km/h、0-400m発進加速タイムは12.2秒と、もはやスーパーカーといえる領域の性能を獲得。

 ボディもサイズアップしたタイヤを収めるためにリアフェンダーが拡大されるなど、特別なモデルであることをアピールします。

 その後、コルベット生誕40周年を迎えた1993年にはアニバーサリーモデルも登場し、さらにチューニングされたZR-1は405馬力までパワーアップを果たしました。

 1995年にコルベット ZR-1は生産を終えましたが、歴代コルベットでDOHCエンジンを搭載したのは唯一ZR-1だけで、現行モデルのリアミッドシップ化された8代目もOHVエンジンです。

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