BMWの高性能モデル「M3」などのMモデルをつくる“M社”ってどんな会社? その歴史とは
2021年1月に日本上陸をはたしたBMWのMハイパフォーマンスモデル「M3」「M4」。6世代目に進化したM3は、このGW前に納車がはじまったが、そもそもBMW Mモデルをプロデュースする「M社」とはどんな会社なのだろうか。
BMW新型M3&M4などはBMWの子会社 BMW M社が開発している
BMW新型「M3」とクーペモデルの新型「M4」が、日本で納車がはじまった。
このM3・M4など、BMWのMモデルをプロデュースしているのは、「BMW M GmbH(BMW M有限会社=以降M社)」という会社で、BMW AG(BMW株式会社=以降BMW)の100%子会社である。
BMWの本社はドイツ・ミュンヘン市内にあるが、M社の現在の本社は、ミュンヘン市内からミュンヘン空港に向かうアウトバーンの途中にあるガルヒングという場所にある。
BMW M社の設立は1972年で、当時は「BMWモータースポーツGmbH」という社名だった。そもそもはBMWのモータースポーツ部門を担当していたからだ。その後、レース用のエンジンの開発部門をイギリスに拠点を移したことから、1993年に現在の社名に変えた。もちろんM社のMにはモータースポーツの意味も含まれている。
M社の事業は5つの柱から成り立っている。
まずはMモデルの製作だ。M社が最初に手がけたスーパースポーツカー「M1」は1978年に誕生した。次のMモデルは、3シリーズ2ドアをブリスターフェンダーにして4気筒2.3リッターエンジンを搭載し、「M3」として1986年に登場した。
今では「M2」「M3」「M4」「M5」「M8」「X5M」「X6M」が揃い、サーキットを走るマシンで一般道も走れる、ということをコンセプトとしてそのイメージは定着している。これらは「M ハイパフォーマンスモデル」と呼ばれる。
これらは以前はM社の社内工場で作られていたが、いまはBMWの工場でノーマルのBMWと同じラインで流れている。これにより、多くの台数をこなせるようになった。
通常のBMWとMモデルの中間に位置するスポーティカーとして「M パフォーマンスモデル」も人気が高い。「M760Li」「X3M40d」など、各シリーズに用意されている。
ボディ、シート、カーボンパーツ、計器、エンジン、タイヤなど、Mモデル専用パーツが組み込まれていく。工場で製造する前の開発段階の企画、デザイン、テストなどはM社で独自開発される。BMWのデザイナーとは別に、M社のデザイナーもいる。
Mモデルの製作に付随して、1985年からMスポーツパッケージが始まった。これが2本目の柱になる。
ノーマルのBMW車でもっとスポーティな雰囲気を味わいたいという要望に応えて、車高を6mmから10mm下げたサスペンションを設定したり、Mデザインのホイールを用意したり、スポイラー類も用意している。薄い青色と濃い青色と赤色の斜めの3色カラー目印になっている。じつはこの3色の設定も途中で色が変わっていて、昔は青色、紫色、赤色だった。
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