飾り気がなく、たくましい? 質実剛健なイメージの車3選
クルマの見た目というのは販売台数を左右するだけでなく、クルマのキャラクターを決定づけるものです。外観のデザインによっては、そのクルマがどんな用途で使われるのか、誰をターゲットに開発されたかなどがわかります。そんなキャラクターが際立つモデルも存在。そこで、質実剛健なイメージのクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
「質実剛健」というイメージがピッタリなクルマを振り返る
クルマの第一印象を決めるのは外観のデザインです。見た目によって販売台数が左右されることから、各メーカーとも優秀なデザイナーを雇い、十分な時間とお金、労力を掛けて、多くの人に気に入ってもらえるデザインを目指しています。
また、デザインはそのクルマのキャラクターを明確にする要素でもあり、たとえばスポーツカーならば見た目にも速そうであったり、高級車ならば重厚な雰囲気となっているのが一般的ではないでしょうか。
そうしたキャラクターを持ったクルマのなかには、無骨な印象を抱くモデルも存在。そこで、質実剛健なイメージのクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●ボルボ「240シリーズ」
今や多くのクルマに普及している先進安全技術が登場する以前、安全なクルマというイメージが浸透していたのがメルセデス・ベンツとボルボがつくるクルマでした。
現行のボルボのモデルは流麗なフォルムでスマートな印象ですが、1980年代までは質実剛健さが人気となっており、その最たるモデルが「240シリーズ」ではないでしょうか。
240シリーズは1974年に発売され、ボディタイプは2ドアセダン、4ドアセダン、そしてステーションワゴンの「エステート」をラインナップしていました。
外観では、当初丸目2灯のフロントフェイスでデビューし、後に角目2灯(仕向地によって異なる)がスタンダードとなり、各ボディタイプで共通化。
さらに、大型のバンパーと切り立った直線基調のボディパネルによって、見るからに頑丈といったところです。
エンジンは2リッター直列4気筒OHVと、2.1リッター直列4気筒OHCが設定され、1981年にはターボチャージャーが装着された「240ターボ」が登場。155馬力を発揮する2.1リッターエンジンにより0-100km/h加速は9秒、最高速度195km/hを達成しました。
ラインナップのなかでも2ドアセダンの240ターボは、ヨーロッパツーリングカー選手権に出場して1985年には14戦中6勝し、見事チャンピオンを獲得します。
BMW「635CSi」やローバー「3500 V8」といったスタイリッシュなフォルムで大排気量エンジンのマシンを相手に、無骨なスタイルと小排気量エンジンで戦った240ターボは、「空飛ぶレンガ」と速さを称賛する意味で呼ばれました。
240シリーズは1993年まで19年間生産されたロングセラーとなり、現在、日本でもネオクラシック・ボルボとして高い人気を誇っています。
●三菱「デボネア」
現在販売中の高級セダンはリアウインドウの傾斜を大きくしたクーペスタイルが主流で、フロントフェイスも空力性能を意識したようなデザインを採用しています。
一方で、昭和の頃の高級セダンというと、どれも重厚さを競いあうようなデザインで、そのなかでも飛び抜けて無骨な印象だったのが、1964年に誕生した三菱初代「デボネア」です。
初代デボネアの外観は1960年代のアメリカ車をオマージュしたような、エッジの効いた前後フェンダーに重厚感のあるフロントフェイスが特徴です。
ボディサイズは全長4670mm×全幅1690mm×全高1465mmと現在の水準ではコンパクトですが、数字以上に大きく見えました。
発売当初は2リッター直列6気筒OHVエンジンを搭載し、高い静粛性と滑らかな加速は三菱を代表する高級セダンにふさわしいものでした。
その後、排出ガス規制への対応のために、新世代の2.6リッター直列4気筒エンジンに換装するなど改良されましたが、それ以外は大幅な変更はおこなわれず、1964年当時の基本設計のままデボネアは1986年まで生産が続けられました。
モデルライフ末期では完全に時代に取り残された感があったデボネアですが、生産を終了した後にクラシカルなデザインが再評価され、中古車の人気が上昇するという現象が起きました。
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