バックギアがない!? マクラーレンPHEV「アルトゥーラ」は2965万円から
マクラーレンのベーシックラインを担うハイブリッドモデル「アルトゥーラ」が、ついに日本公開された。注目のパワートレインに焦点を絞って解説しよう。
マクラーレンはハイブリッドがメインとなる
マクラーレンの次期コアモデルはハイブリッドとなるだろう。そのような噂が聞かれるようになったのは、もうずいぶん前のことだ。そして2021年4月13日、噂どおりにシリーズ生産されるハイブリッドモデル「アルトゥーラ」が日本でも正式に発表された。
ちなみにこのアルトゥーラは、これまでマクラーレンのベーシックラインを担ってきたスポーツ・シリーズの後継となるもので、PHEVのメカニズムを持つマクラーレンの車両としては、限定生産を前提としたアルティメット・シリーズの「P1」、「スピードテール」に続くものとなる。
●アルトゥーラにはリバースギアがない!
他社に先駆け、PHEVモデルをラインナップの中心的存在に導入したのは、マクラーレンの先見性の現れであろう。
アルトゥーラの核となるカーボンモノコックは、2018年に新設されたサウスヨークシャーのMCTC(マクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター)で生産されるまったく新しいデザインのものとなる。
これはハイブリッド・ユニットのために新開発された、総電力量7.4kWhの高エネルギー密度バッテリーパックを搭載することが主な目的であったという。このバッテリーパックの重量は82kgにもなる。
モノコックの前後にはアルミニウム製のサブフレームが接合され、リアのサブフレーム上にはパワートレイン一式が搭載されている。
搭載エンジンは、新開発の3リッターV型6気筒ツインターボで、最高出力585ps、最大トルク585Nmを誇る。これに最高出力95ps、最大トルク225Nmを発揮するエレクトリック・モーターを組み合わせるのが、パワーユニットの概要である。
このパワーユニットはまた、サイズ面でも大きなアドバンテージを有しており、重量は従来のV型8気筒ツインターボと比較して60kg軽く、全長も190mmも短い。
組み合わせられるトランスミッションは、こちらも新たに設計された8速のDCT。このDCTとエンジンとの間にエレクトリック・モーターが位置する仕組みとなっている。
またトピックとしては、このアルトゥーラにはリバースギアは存在せず、後退時にはモーターが逆回転することでまかなう仕組みだ。
エクステリアやインテリアも、一気に新しさを感じさせるものになった。すべてのデザインには機能があるというマクラーレンのコンセプトは、もちろんこのアルトゥーラにも継承されている。
アルトゥーラは、最新のエアロダイナミクスによって0−100km/h加速3秒ジャスト、最高速はリミッター制御で300km/hを可能にしている一方で、インターネット接続も可能な最新のインフォテインメントシステムなども装備しており、キャビンのスイッチ操作性はさらに向上した。
速さだけではなく、こうしたインターフェイスにも抜かりがないところがマクラーレンらしいところである。
モーターによる駆動力のみでも、フル充電から約30kmの走行が可能だというアルトゥーラ。現在、直接的なコンペティターは不在だが、その商品性はいまのところトップクラスといってよい。日本への上陸が非常に楽しみな1台だ。
アルトゥーラの車両価格(消費税込)は、2965万円からとなっている。
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