軽自動車ながら超絶性能を手に入れた! 歴代スズキ「アルトワークス」を振り返る
軽自動車規格の変更で660cc化し、さらに速く快適に
1988年にはアルトが3代目にモデルチェンジされるのに合わせて、アルトワークスも2代目が登場。
当時の軽自動車としては長いホイールベースが与えられて直進性が向上し、初代が標準のアルトをドレスアップしたイメージだったのに対し、2代目アルトワークスは独自デザインのフロントフェイスとなり、独立した車種のイメージとなりました。
1989年に物品税が廃止されて消費税が施行され、軽ボンネットバンの税制面のメリットがなくなったことでアルトは乗用タイプに移行。
1990年には軽自動車の新規格化によりエンジンを660ccの「F6A型」に変更し、アルトワークスもバンモデルから乗用の5ナンバーモデルとなりました。
さらに、ワークスRS/XのエンジンをSOHCインタークーラーターボに置き換えて、エアコンやパワーステアリングなども装備した「ワークス ターボi.e.」が登場。
1991年には「ワークスRS/R」と「ワークスRS/X」のリアブレーキをディスク化するなど、シャシ性能の向上が図られました。
各社出揃った高性能軽自動車はモータースポーツの世界でも争われるようになり、1992年にはダイハツ「ミラ X4R」に全日本ラリー選手権で勝つために、トランスミッションのクロスレシオ化とローファイナル化、専用マフラーと専用タービン、ビッグスロットルボディに専用コンピューターが組み込まれた「ワークスR」が開発されました。
2年連続で、全日本ラリー選手権Aクラスと全日本ダートトライアル選手権A1クラスでチャンピオンを獲得する好成績を挙げるなど、アルトワークスの速さが立証されることになります。
そして、1994年にアルトが4代目にモデルチェンジされるとアルトワークスも3代目に移行しました。
上級グレードである「ワークスRS/Z」のエンジンは、新開発されたオールアルミ製直列3気筒DOHCインタークーラーターボの「K6A型」エンジンにスイッチされ、ECUも16ビット化。
同時にSOHCターボエンジンの「ワークスie/s」も64馬力に出力向上がおこなわれ、翌年には数多くの専用パーツを組み込んだ「ワークスR」が復活し、最高出力は64馬力と変わらないものの最大トルクは10.5kgmから11.0kgmに向上しました。
1997年のマイナーチェンジでは、14インチアルミホイールに155/55R14サイズのヨコハマタイヤ「アドバンネオバAD05/06」が標準装着され、内装をフルトリム化してホワイトメーターが採用されるなど、より上級志向となります。
また、ワークスRでは大型インタークーラーへの変更とボンネットエアスクープを装着。エンジンのカムプロフィール変更や専用コンロッド、トランスミッションの変速比がさらにクロスレシオ化して、もはや軽自動車と思えないほどモディファイが進みました。
軽自動車規格改正に合わせて、アルトが5代目にモデルチェンジされた1998年には、ワークスはスタンダードのアルトとは異なるマルチリフレクター式のヘッドライトを採用した4代目に切り替わります。
ワークスRS/ZのMT車のエンジンは可変バルブ機構が組み込まれ、ドライブ・バイ・ワイヤを採用するなど時代に則した進化を遂げましたが、スポーティな軽自動車はかつてほどの人気はなく2000年をもってアルトワークスの系譜は途絶えることになりました。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。