トヨタは「2本立て」「4協力社」なぜ揃えた? 車の電動化対応における主要8社の違いとは
クルマの電動化に対する日産・三菱・マツダの考え方は?
日産は上海モーターショー2021で新型「エクストレイル」を世界初公開しましたが、同時にe-POWER搭載車の中国での拡販も宣言しています。
e-POWERは日産が開発したシリーズ式HVシステムで、2016年に2代目「ノート」に採用して、日本市場から展開を開始。
タイ生産の「キックス」(2020年発売)にも搭載されたほか、欧州での展開もすでに明言されており、欧州仕様の新型エクストレイルでは2022年に搭載予定です。
なお、中国におけるe-POWERの展開について、日産は同市場で人気の高い「シルフィ」から採用を開始すると表明しました。
また、同社の今後の電動化戦略において重要な車種となるのが電気自動車タイプのSUV「アリア」です。
2020年7月に世界初公開されたアリアについて、日産は日本での2021年中頃の発売を皮切りに、欧州・北米・中国といったグローバル市場においては2021年末までに発売するとしています。
日産にはすでにハッチバックボディのEV「リーフ」を日本やアメリカおよび英国の工場で生産し、世界59の国や地域で販売した実績があることから、HV(e-POWER車)の普及と並行して、リーフやアリアといったEVの普及にも取り組む姿勢であることがわかります。
なお、日産とアライアンスを結ぶ三菱は、中国の広汽汽車との合弁企業である広汽三菱から、電気自動車タイプの中国向けSUVである新型「エアトレック」のデザインを上海モーターショー2021の開幕にあわせて公開しています。
そのほか日産と共同開発しているといわれる軽EVの生産に向けて、工場(水島製作所)の設備投資も開始されているほか、三菱がこれまで開発を進めてきたPHEVシステムの普及も推進。
日本国内ではPHEV2車種をラインナップするほか、2020年12月には同社のPHEVでは初となる海外生産として、「アウトランダーPHEV」をタイで生産開始しています。
こうしたなか、マツダは同社初の量産EVとして「MX-30 EV」を展開しています。
日本ではマイルドHV仕様が2020年10月に発売され、その後前述のとおりEV仕様が2021年1月に発売されたMX-30ですが、欧州では日本に先行してEV仕様が2020年秋に発売。
アメリカにも2021年秋にMX-30 EVが導入されることが、同年4月14日に発表されました。
MX-30 EVについて、マツダはLCA評価(燃料の採掘から製品の製造、物流、使用、廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体における環境負荷を、定量的に評価すること)によるCO2削減とユーザーの使い方を両立するといった観点で企画したと謳われています。
35.5kWhというバッテリー容量も、こうした観点から決定したということです。
なお、中国市場では現地にある長安汽車との合弁会社である長安マツダが中国専用車として「CX-30 EV」を発表するなど、独自の動きを見せています。
CX-30 EVについて、マツダは次のように説明しています。
「CX-30 EVは2021年の下半期に中国のパートナーと一緒に準備を進めている中国専用EVで、長安マツダで生産を開始し、中国市場に導入する予定です」
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政府も目標として掲げる2050年のカーボンニュートラルに向けて、各自動車メーカーも対応に向けて動き出している状況ですが、2021年現在では各社の方針や実際に発売されるモデルの顔ぶれには違いがあるようです。
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