高速道路の「照明の有無」何で決まる? 交通量だけではない整備の決め手とは
高速道路には、照明が設置されている区間と設置されていない区間があります。どのような基準で設置の有無が決められているのでしょうか。
照明を整備する箇所は決められている
夜、高速道路を走っていると、照明が路面を照らす明るい区間と、照明のない暗い区間があるのが分かります。地方部の高速道路だと、周囲が真っ暗ななか自車のヘッドライトだけを頼りに走ることが多くあります。
このように高速道路は場所によって照明があったりなかったりしますが、有無はどのようにして決められているのでしょうか。
道路の照明は、国の「道路照明施設設置基準」によって整備されています。対象は高速道路だけでなく一般道や歩道も含まれ、光の強さやまぶしさ(グレア)、色などが道路の状況や条件にあわせて細かく定められています。
高速道路で「原則として照明施設を設置する」場所として挙げられているのは、インターチェンジ、料金所広場、休憩施設の3つです。
これらの場所は分岐や合流、加減速などがあり、周囲のクルマの動きを的確に把握する必要があることから、局部照明(その場所だけの照明)を設置するものとされています。
しかし実際はこの3つに加え、線形が急激に変わる場所や橋、バス停などにも「必要に応じて照明施設を設置するのがよい」とされています。また、トンネルも設置場所として定められています。
ここまで挙がった箇所は、交通状況に変化が生じる場所ですが、都市部では、分岐や合流などがないにもかかわらず、連続照明(一定の間隔で連続する照明)が整備されています。
なぜ都市部の高速道路は、歩行者や信号などがないにも関わらず、基本的に連続して明るくする必要があるのでしょうか。
NEXCO東日本によると、都市部は道路沿線のビル照明や広告灯の光などでまぶしさを過度に感じるおそれがあるためといいます。
「連続照明の整備は、建設時の推定交通量が多かったり、沿道に照明の明るい建物があったり、といった諸条件を踏まえて決められます」(NEXCO東日本 広報担当者)
なお、近年では、橋などの区間で低位置照明の採用が進んでいます。路側にポールを立てて上から照らす形式ではなく、側壁や橋の高欄など1mほどの高さから路面を照らす方式です。
新東名高速の浜松いなさJCTや東京湾アクアラインのアクアブリッジなどに設置されています。
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