首都高「最大1950円に値上げ」なぜ? 将来的な無償化は実現する? 知られざる料金の話

将来的に首都高は無料なる計画だが…実際は?

 値段の引き上げが話題となっている首都高ですが、ほかの高速道路同様、1956年施行の道路整備特別措置法に基づき、建設費として通行料金を徴収して賄う方式で建設がなされました。

 開通当時である1962年では京橋から芝浦の4.5km区間の利用料金は50円という設定がされていました。

 それから均一料金制が採用され、普通車では東京線が700円、神奈川線が600円、埼玉線が400円といった価格設定となり、その後2012年には、利用された距離に応じて料金が決まる距離別料金へと移行。現在では、下限料金は300円、上限料金は1320円と設定されています。

 予定では、2021年の現在から44年後の2065年には首都高を含めた高速道路の償還期間が完了する予定とされています。

 実際に首都高の利用料金が無料化されるといった未来は、この先あるのでしょうか。

 前出の担当者は以下のように話します。

「2065年に完了する予定とされていますが、老朽化が目立っているため補修をおこなう必要があります。

 そのため確実に2065年に完了するといい切ることはできませんが、あくまで決まりとしては将来的に無料化になるという方針となっています」

 担当者が話す通り、道路は建設費だけではなく補修するための維持費も必要となってきます。

 また、ニュースでも話題になった日本橋区間の地下化工事も2040年までおこなわれる予定です。

 そのため、2065年に完了と定められているものの、各道路状況によって今後の無料化は確実とはいい難いでしょう。

近距離区間では影響はないものの、都心を抜ける場合には値上げとなるか?
近距離区間では影響はないものの、都心を抜ける場合には値上げとなるか?

 一方で、首都高ネットワークの一部には無料区間が存在します。

 正確には首都高速とは別の東京高速道路が運営している道路(KK線)となりますが、建設費や維持費を道路下にある店舗のテナント料で賄っているため料金を徴収していません。

 現在は、ETCが導入されたことで意識することはなくなりましたが、以前は料金所ならぬ乗継所が存在し、首都高からKK線を経由するときには乗継券を発行していました。

 首都高とほかの道路を繋ぐ区間では、こういった無料区間もわずかながら存在しています。

※ ※ ※

 今回の利用料金引き上げについて、値が上がった部分だけを見ると、払う金額が増えるように思います。

 ですが、激変緩和措置による統一化をはかるための国の対策であり、主に長距離走行車が対象となるため、一般利用者は利用特別影響がないといえるでしょう。

 長距離を走るドライバーであっても、さまざまな措置が取られているため、割引を利用することでお得に走行できるのではないでしょうか。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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