「毎日見ても飽きない車」何が重要? 三菱ふそうがデザインで意識する3つの原則とは
三菱ふそうトラック・バスが、同社のデザイン部門の現状とこれからについて詳しく説明するイベント「Design Essentials(デザイン・エッセシャルズ)」を開催しました。同社が販売する商用車は、どのようなプロセスを経てデザインされているのでしょうか。
ひと目で「ふそうだ」と認識できる同一モチーフとは
三菱ふそうトラック・バスから、本社での開催イベントの案内が届きました。そのタイミングが、まさにトヨタ・日野・いすゞの事業連携発表と同じ日(3月24日)であったことから「もしかすると、三菱ふそうからも何か大きな発表があるのか?」という憶測が自動車業界内で飛び交いました。
デザインという視点から見れば、日本でも同社の主力車種である「キャンター」が2020年10月にデザインを10年ぶりに刷新するフルモデルチェンジをおこなっているのですが、その際に最新テレマティクスシステム「トラックコネクト」も搭載しています。
そのため、日野・いすゞの連携に紐づいて「まさか三菱ふそうも一緒……、となるとダイムラーとトヨタが……」という、憶測が憶測を呼ぶような雰囲気になっていきました。
しかし、蓋を開けてみると、三菱ふそうトラック・バスが4月14日におこなったイベント「Design Essentials(デザイン・エッセシャルズ)」は、あくまでもデザイン部門の現状とこれからについて詳しく説明する内容でした。
「本来は3月上旬開催で予定していたが、さまざまな社会情勢を考慮して延期していた」(同社関係者)ということでした。
開催場所は、JR新川崎駅近くにある、三菱ふそうトラック・バス本社の川崎工場の敷地内にあるデザインスタジオです。
2019年3月にオープニングイベントとして報道陣に公開されていますが、「先回は全体の一部のみ公開でしたが、今回はほぼすべてをお見せしています」(同社関係者)といいます。
現在、三菱ふそうトラック・バスはドイツのダイムラー傘下ですが、ダイムラーグループ全体として全世界で約700人のデザイナーがいます。
そのうち、日本のこの施設には量産に向けたプロダクションデザイン、先行開発のアドバンスデザイン、そしてモデラーなどによるフィジカルデザインと、合計約20人が従事しています。
イベントの冒頭、デザイン部・部長のベノワ・タレック氏が「ふそうデザイン」における3つの原則について説明しました。
1つ目は「明確なアイデンティティ」です。これは、遠くから見てもひと目で「ふそうだ」と認識できる、トラック・バスのラインアップ全体での同一のモチーフとデザイン言語のことです。
具体的には、フロントマスクでヘッドライト上部の横方向に貫くブラックベルトが特徴です。
また、興味深かったのは、アイデンディティについては、ふそうブランドのみならず、ダイムラートラック・バスなどダイムラーグループの中大型商用車のすべてで、共通のデザイン言語を持つという点です。
2つ目は「シンプルさの追求」です。時代とともにデザインは複雑化する傾向はあるものの、空力や生産効率、そして構造強度など最新の理論と技術により、余分なデザイン要素を排除することに注力しているといいます。
そして、3つ目は「確かな品質」です。機能と意匠、そして品質との融合を、利用者が毎日のように使用するトラック・バスという領域で実現しています。
「毎日見ても飽きない車」とタイトルにありますけど、最近のふそうはフルモデルチェンジすらされてなく、スーパーグレートはメーター周りと安全装備が充実しただけで、ファイターは30年近く同じキャブ骨格を流用してビッグマイナーチェンジを繰り返し、最近新しくなったキャンターはキャブ骨格だけでなく内装までキャリーオーバーし、正直ふそうのデザインには飽きました。I社みたいにガラッと大胆にデザイン変えて欲しいです