ベーシックカーだけど、とんでもないモデルもあり? 高性能な日産「マーチ」5選

日産のコンパクトカー「マーチ」は、同社の現行モデル「スカイライン」「フェアレディZ」に続く長い歴史のあるモデルですが、近年はライバルに対してちょっと元気がありません。しかし、歴代マーチのなかには、かなり尖ったモデルも存在。そこで、高性能な日産マーチを5車種ピックアップして紹介します。

日産「マーチ」の高性能モデルを振り返る

 現在販売中の日産車(乗用車)のなかで、50年以上もの歴史を刻んでいるのが「スカイライン」と「フェアレディZ」です。

 とくにスカイラインは一度も系譜が途絶えることなく、現行モデルは13代目となります。

長い歴史を持つ「マーチ」のなかでも高性能なモデルたち
長い歴史を持つ「マーチ」のなかでも高性能なモデルたち

 さらに、一度も途絶えることなく歴史を刻んでいるのが「マーチ」で、1982年に初代が誕生してもうすぐ丸39年になり、2022年に40周年を迎えます。

 現行モデルのマーチは4代目で、初代が10年、2代目も10年、3代目が8年、そして4代目はすでに11年目と、どの代もロングセラーなのが特徴です。

 かつては日産のエントリーモデルとして一時代を築いたマーチですが、近年は同クラスのライバルに対して販売状況は良好とはいえず、元気がありません。

 しかし、歴代マーチのなかには、かなり尖ったモデルも存在。そこで、高性能な日産マーチを5車種ピックアップして紹介します。

●1989年 マーチ スーパーターボ

シャシよりもエンジンが優れるという過激な性能を誇った「マーチ スーパーターボ」
シャシよりもエンジンが優れるという過激な性能を誇った「マーチ スーパーターボ」

 前述のとおり1982年に新時代のコンパクトカーとして、初代マーチが誕生。

 巨匠ジウジアーロの手によるシンプルで直線基調の外観デザインと、安価な価格で大ヒットを記録し、グローバルカーとして欧州でも「マイクラ」の車名でヒット作となりました。

 そして、1980年代というとターボエンジンの普及が著しい時代で、1985年には最高出力85馬力(グロス)を発揮する1リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「マーチ ターボ」が登場。

 さらに、1988年に排気量を987ccから930ccにダウンサイジングし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着された、日本初のツインチャージャーエンジンを搭載する「マーチR」が登場。

 マーチRは最高出力110馬力(グロス)を発揮し、ツインチャージャーならではの全域からの力強い加速によって、ライバルのリッターカーを大きく凌駕していました。

 しかし、マーチRはあくまでもモータースポーツベース車だったので、普段使いには適していません。

 そこで、1989年にマーチRと同じエンジンを搭載して、普段使いにも適した装備の「マーチ スーパーターボ」が誕生。トランスミッションはクロスレシオの5速MTに加え、イージードライブも許容する3速ATも設定されました。

 パワーもマーチRと同じ110馬力を発揮し、普段使いに適したといってもパワーステアリングやABSなどは装備されておらず、安全かつ速く走るにはドライバーの腕次第というモデルでした。

●2004年 マーチ12SR

ライトチューンのエンジンに優れたシャシ性能が特徴の「マーチ12SR」
ライトチューンのエンジンに優れたシャシ性能が特徴の「マーチ12SR」

 1992年に2代目マーチが発売されましたが、初代のような高性能モデルはラインナップされず、「アウトストラーダ」などライトなスポーティモデルに留まりました。

 一方、2002年に登場した3代目では、2004年にオーテックジャパンがチューニングした「マーチ 12SR」が登場。

 スタンダードグレードの1.2リッターエンジン車をベースに、エンジンはシリンダーヘッド周りのチューニングや、圧縮比アップに伴うハイオク仕様、ECUのプログラミングも専用で、ノーマルの90馬力に対し最高出力は108馬力(後に110馬力にアップ)を発揮。トランスミッションは5速MTのみの設定です。

 なお、109馬力の1.5リッターエンジンでCVTの「15SR-A」も2005年に追加されました。

 12SRの車重は960kgと軽量で、足まわりの強化やシャシも補強による剛性アップが図られており、優れたコーナリング性能を誇り、スーパーターボとは異なるアプローチの高性能モデルとなっています。

●2007年 マイクラC+C

欧州テイストの足まわりが高く評価された「マイクラC+C」
欧州テイストの足まわりが高く評価された「マイクラC+C」

 前述のとおりマーチは欧州でマイクラとして販売され、2005年に3代目をベースにしたオープンカーの派生車が誕生。

 車名は「マイクラC+C」で、ドイツの名門コーチビルダーであるカルマン社と共同開発した格納式ガラスルーフを搭載する4シーターのクーペカブリオレです。

 日本でも2007年モデルから英国工場で生産する輸入車として1500台が限定販売されました。

 22秒でフルオープンが可能な電動ガラスルーフは、手軽にオープンエアモータリングが楽しめるとして話題となります。

 基本的なコンポーネンツは3代目マーチですが、エンジンは国内仕様のマーチには設定されていない110馬力の1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載。

 余裕あるパワーに加え、欧州仕様のサスペンションによる国内のマーチとは別物の優れた走りが、高く評価されました。

 なお、フルオープンの状態では洗練された外観ですが、クローズド状態ではルーフの格納場所となるトランクリッドのラインとルーフラインの造形が、かなりユニークな印象です。

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1件のコメント

  1. マーチNISMO S、こんなに楽しいクルマはない。
    もっと評価されるべき。

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