ベーシックカーだけど、とんでもないモデルもあり? 高性能な日産「マーチ」5選
オーテックジャパンの総力が結集された超ド級のマーチとは?
●2013年 マーチ NISMO S
現行モデル4代目は2010年にデビュー。日本仕様はタイで生産され、ベーシックグレードでは100万円を切る価格が設定されるなど、大いに話題となります。
しかし、発売当初はスポーティなグレードが設定されず、エンジンとCVTのトランスミッションは全車グレード共通とされていました。そんななか、2013年に待望の高性能モデル「マーチ NISMO S」が登場。
NISMO Sはオーテックジャパンの手によってファインチューニングされた1.5リッター直列4気筒エンジンと5速MTが組み合わされ、最高出力は116馬力を発揮します。
1010kgと軽量なボディと使い切れるほどのパワーとの組み合わせで、優れたドライビングプレジャーを実現。さらにNISMOの手によってシャシ剛性のアップや、強化サスペンション、パワーステアリングのアシスト量など細部にもこだわり、NISMOの名にふさわしいモデルへと変貌を遂げました。
外装では専用のカラーリングに派手すぎないエアロパーツを装着。内装もスポーツシートや、本革とアルカンターラを組み合わせた小径ハンドルが採用されるなど、スポーティに演出されています。
現在もNISMO Sはラインナップされ、気負わずドラビングが楽しめる稀有なコンパクトカーの1台です。
●2016年 マーチボレロ A30
マーチだけでなく数多くの日産車のコンプリートカーを手掛けてきたオーテックジャパンは、2016年9月に創立30周年を迎えました。
これを記念して、わずか30台限定生産のコンプリートカー「マーチボレロ A30」を発売。
マーチをベースにクラシカルな外観にカスタマイズしたマーチボレロは、2代目マーチから現行モデルの4代目にもラインナップされていますが、この現行モデルのマーチボレロをベースに、とんでもなくカスタマイズされたのがマーチボレロ A30です。
エンジンは「ノート NISMO S」にも搭載された1.6リッター直列4気筒の「HR16DE型」をベースに、専用のクランクシャフト、コンロッド、カムシャフトなどが組み込まれ、最高出力150馬力を誇り、トランスミッションは5速MTのみです。
また、シリンダーヘッドの吸気ポートの研磨などのチューニングも含め、エンジンの組み立ては1台1台完全に手作業とされました。
シャシは補強部材の追加による剛性アップと、専用のサスペンション、フロントブレーキの大型化とリアブレーキのディスク化などが施されています。
そして、マーチボレロ A30最大の特徴はボディにあり、90mm拡大されたトレッドにあわせて大きく張り出した前後フェンダーを採用。全幅はベース車の1665mmに対して1810mmと145mmも拡大されています。
内装もレカロ製シート、専用の本革巻きハンドル、240km/hスケールのスピードメーターなど、特別な装備を採用。
なお、マーチボレロ A30の新車価格は356万4000円(消費税8%込)とベース車の2倍以上でしたが、限定30台はあっという間に完売しました。
30周年という記念すべきモデルにマーチを選んだということから、オーテックジャパンのこだわりが感じられるのではないでしょうか。
※ ※ ※
現在、欧州で販売しているマイクラはマーチとは別物の海外専用モデルで、3ナンバーサイズにあたる5ドアハッチバックとなっています。
また、メキシコで販売されているマーチは日本のマーチと同様なボディながら、2021年1月に独自のマイナーチェンジによって「Vモーショングリル」を強調した精悍なフロントフェイスへと変貌しました。
国内のマーチも2020年7月に先進安全技術のアップデートを中心とした改良がおこなわれています。
近年はちょっと元気がないマーチですが、まだまだ進化は続いているようです。
マーチNISMO S、こんなに楽しいクルマはない。
もっと評価されるべき。