車のブレーキ音なぜ煩くなる? ポルシェは「安全のため」 キーと鳴く理由
ブレーキを踏んだときに聞こえてくる「キィー」というブレーキ鳴きの金属音。この音は、何が原因で発生するのでしょうか。
ブレーキが鳴るのは当たり前?
クルマの運転中、ブレーキを踏み込むことで聞こえる「キィー」というブレーキ鳴きの金属音。なぜこのような異音が発生するのでしょうか。
走行中に使用するフットブレーキには、ディスクブレーキとドラムブレーキのふたつのタイプがあります。
ディスクブレーキは、タイヤと共に回転するディスクローターにブレーキパッドを押さえつけることで、減速させる仕組みです。
一方のドラムブレーキは、タイヤと共に回転するブレーキドラムの内側にブレーキシューという摩耗材を押し付けることで減速させています。
いずれも摩擦を生じさせることで、クルマの運動エネルギーを熱エネルギーに変換して放出することでクルマを止める仕組みです。
摩擦でクルマを止めるので、厳密には音の発生を避けられませんが、そのなかでも不快な音が発生することをブレーキの「鳴き」と呼びます。
とくにディスクブレーキの鳴きでは甲高い「キー」という鳴きが発生しますが、ブレーキが鳴く原因とはどのようなものなのでしょうか。
ブレーキパーツを専門に開発、販売する株式会社ディクセルは次のように話しています。
「ブレーキが作動して、ブレーキパッドがローターに接触すると、摩擦によって振動し、音が発生します。
通常の場合、発生した音はパッドやローターの柔らかさ(減衰特性)や、パッドとピストンの間にあるシムなどによって吸収され聞こえなくなります。
しかし、その吸収がうまくいかなかったり、吸収しきれない振動が発生した場合に、耳障りな音となってしまうのです」
さらに、同社によると吸収しきれない振動が発生するケースとして、ブレーキパッドとローターが均一に接触していない場合があるといいます。
ブレーキを踏むと、ブレーキピストンがパッドを押し、ローターに接触しますが、パッドやローターに傷ができた場合などで均一に圧力がかからずに偏ってしまうと異音が発生するようです。
なお、ブレーキからの不快音のなかでも、ブレーキパッドの残量が少ないことを警告する「パッドウェアインジケーター」が鳴っている場合には、ブレーキパッドの交換が必要なので、すぐにディーラーや整備工場に相談しましょう。
ブレーキ鳴きは自励振動の一種で、機械振動の専門家にとっては既知の事項です。論文も沢山出ています。
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