マイナーチェンジでどう進化? VW改良新型「パサートヴァリアント」を選ぶ理由とは
高速での直進安定性の高さやボディ剛性感で疲れ知らずだ
ディーゼルエンジン特有のガチャガチャした音は、市街地走行では若干聞こえるが、高速道路では走行スピードが速い割にエンジン回転数が低いので、ほとんど聞こえなくなる。
400Nmという太いトルクを低回転で発揮できるから、走りに余裕がある。日常の走りだけでなく力強いスポーティな走りもできる。アクセルペダルを踏み込んだときタイムラグなく加速が始まる感じが、クルマとドライバーに一体感を与えてくれるからだ。
履いていたタイヤは235/40R19 96WXLサイズのピレリ・チントゥラートP7である。40偏平という基本的にグリップ力が強いタイヤだが、ウエット性能、耐ハイドロプレーン性能などの操縦安定性だけでなく、乗り心地、ノイズなどの快適性や燃費、耐久性なども含めてトータルバランスが取れたタイヤだ。
その意味ではパサートのキャラクターと合っていると思う。昔から質実剛健のイメージが強いドイツ車であるが、VWのクルマ作りは正にその真髄を貫いている。
今回マイナーチェンジしたパサートも同様で、バシッとしっかり閉まるドア、フレームがしっかりした感触が伝わってくるシート、ハンドルを切ったときの支持点がしっかりした感触、ブレーキペダルを踏み込んだときの剛性感などが、走行中の安心感を与えてくれる。また何年経ってもヤレそうにないしっかりしたボディにより、長い付き合いができそうに感じる点も変わっていない。
高速道路でのバシッという直進性の高さはディーゼルを生かした長距離ドライブでも疲れそうにない。ハンドルのニュートラル感に遊びがほとんど感じないところがいい。
その一方でワインディングロードを走ったときには、適度なシャープさと正確なハンドルによってライントレースが楽だから、素直にハンドルを切るだけでオンザレール感覚で走れる。このときもタイヤのグリップに余裕があることを感じられる。
乗り心地はソフトとはいえないが、快適だ。路面の小さな段差やひび割れのような不整など、どんなところを走っているのかをハンドルを通じてドライバーが感じ取ることができる。しかし大きなうねりや凹凸などはサスペンションがしなやかに動いて吸収してくれるから、強い衝撃をやわらげて伝えてくる。
パサートらしく室内の収納スペースの多さもファミリーで乗るには最適だ。ラゲッジルームはトノカバーとセーフティネットなどをフロア下に収納できるので、後席のバックレストを倒して広く使おうとするときにも便利だ。
深いところまで考えられたパサートと付き合うのは楽しそうだ。
Volkswagen Passat Variant TDI R-Line
フォルクスワーゲン パサートヴァリアント TDI Rライン
・車両価格(消費税込):584万9000円
・全長:4785mm
・全幅:1830mm
・全高:1510mm
・ホイールベース:2790mm
・車両重量:1610kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG(DCT)
・最高出力:190ps/3500-4000rpm
・最大トルク:400Nm/1900-3300rpm
・WLTCモード燃費:16.4km/L
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