新型「トヨタGR 86/スバルBRZ」 主戦場・アメリカでのライバル車とは
アメリカンスポーツだけでなく、ドイツ勢や日本勢もライバルになる
アメリカ市場で人気のスポーツカーといえば、ポルシェを忘れてはならないだろう。
そのポルシェのエントリーモデルとなるのが「718ケイマン」だ。

ただし、4座クーペのGR 86/BRZに対して、718ケイマンは2座クーペ、しかもエンジンを背中に置く、ミッドシップスポーツだ。
こちらもマスタングなどと同じように、搭載エンジンのバリエーションが豊富だ。
エントリーモデルに搭載されるのが最高出力300psの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンだ。価格は6万500ドル(約665万円)。トップモデルは最高出力394馬力を誇る4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載する718ケイマンGTS4.0で、価格は8万7400ドル(約960万円)。
ちなみに、北米で販売されている現行型トヨタ「86」の価格は、2万7000ドル(約300万円)から。エントリーモデル比較でも、718ケイマンは86の2倍以上の価格となる。
ボディサイズは近いかもしれないが、価格帯が大きく違っているのだ。
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アメリカで人気を集める和製スポーツカーは、86とBRZに限らない。
ホンダ「NSX」と日産「GT-R」は、86/BRZとは価格帯も性能も隔たりがあるけれど、日産「フェアレディZ」とマツダ「ロードスターRF」は、ライバルと呼べる近さがある。

フェアレディZは、新型投入秒読み前のモデルライフ末期ではあるが、現行モデルは最高出力350psの3.7リッターV型6気筒エンジンを搭載し、車両価格は3万ドル(約330万円)である。エンジンはフェアレディZのほうがパワフルではあるが、価格はかなり近いものがある。
またロードスターRFは、最高出力181psの2リッター直列4気筒エンジンを搭載し、価格は3万3045ドル(約363万円)からだ。

フェアレディZとロードスターRFという2台の和製2シータースポーツに対して、GR 86/BRZは4シーターという点と、車両価格というふたつの点で有利になっているのだ。
2.4リッターのNAエンジンを搭載した4座クーペのGR 86/BRZ。3万ドル前後という先代の価格は、新型になっても、それほど大きく変わらないはずだ。
そうしたとき、北米市場で新型GR 86/BRZのライバルとなるのは、4気筒ターボを搭載するマスタングとカマロのエントリーグレード、そしてフェアレディZとロードスターRFという和製スポーツカーとなるはずだ。
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。






















































